【第5回】「爪切り」と言うと逃げる!
息子が猫たちとおもちゃで遊んでいたら、興奮した猫たちに手をひっかかれて流血してしまいました(汗)
猫たちのツメを見ると、伸びてる伸びてる! 猫の爪って怖いくらい鋭くなりますよね。
傷の手当てをした後、息子が「自由研究に書くから、僕が猫の爪を切る!」 と、猫用の爪切りを取り出してきました。
それを見た途端、ソファで寝ていたモモとクリがそそくさと起き上がり、息子の動きに警戒しながら逃げ出しちゃいました(笑
そういえば、前に病院に連れて行ったときに使ったキャリーバッグを出した時も、すぐに別の部屋へ行っちゃったし、また病院に連れて行かれると思うのかな?
猫って、嫌なことをどのくらい記憶しているの?
その疑問、先生に教えてもらいました!
「今、子供たちが一番会いたい人」&ベストセラー『ざんねんないきもの事典』の監修者今泉忠明先生に教えてもらいました!
写真を撮ろうとすると嫌なのか変顔をするように。「うれしいこと」、「嫌なこと」はどれくらい覚えているの?
執念深く一生覚えていることも
外で暮らす猫は「一発で獲物を仕留められた!」「この場所で命を狙われそうになった......」など、そのときの獲物や場所のニオイと風景の記憶を頼りに日々生きています。ですから飼い猫も、ニオイを嗅げば一生、いつでも記憶を取り戻すことが可能です。
捕まえた獲物の血のニオイは猫にとって「うれしい記憶」として残ります。
一生覚えているなんて、やはり猫って頭がいいのね。
ということは、ずっと爪切りから逃げ回るということだから、何かいい方法を考えなくちゃ!
そのほかの「今日の自由研究」
ノラ猫の現れる場所が毎回変わるのはなぜ?
居場所がバレたくないから
猫は単独行動する動物であるがゆえ、自分の身は自分で守らなければなりません。猫を獲物とするタヌキやキツネに見つからないよう、テリトリー内を見回る際もルートや休憩場所を変えることがあります。見かける場所は毎回変わりますが、すべて彼らのテリトリー内で動いています。
姉妹なのに茶トラ、ミケと柄が違います。父親が違うの?
神奈川県 H・Aさん、くぅちゃん、みぃちゃん(ともにメス・1才)
だったり違ったり……
多排卵動物の猫は、同時期に複数のオスと交尾し、父親が違う子猫を同時に産むことがあります。また、同じ父親でもその父猫にさまざまな毛柄の遺伝子が含まれていると、毛柄が異なることが。
つまり、父親が一緒でも違っても姉妹で毛柄が異なることはあり得ます。
一緒に生まれても体の大きさが全然異なったり、毛長だったり短毛だったりするのは、そういうことだったのね。今年の夏の自由研究はおもしろいレポートが作れそう!
猫の自由研究はまだまだ続きます。お楽しみに!
※写真はイメージです。
監修/今泉忠明
哺乳動物学者。国立科学博物館にて哺乳類の分類・生態を学ぶ。「ねこの博物館」館長、日本動物科学研究所所長。『おもしろい! 進化のふしぎざんねんないきもの事典』(高橋書店)などの監修本がベストセラーに。
※この記事で使用している写真とイラストは2019年2月号「動物学者・今泉先生に聞いた愛しき猫のふしぎ」に掲載されているものです。
イラスト/青山京子、こんのゆか
ライター(まとめ・文)/かきの木のりみ