猫の耳って、見るたびに動きや角度が違っていたりしますよね。
見ていると愛らしい猫の耳ですが、帝京科学大学助教の小野寺温先生によると、耳は猫が気持ちを伝える大切な「ツール」のひとつなのだとか!
耳の角度でわかる猫の気持ち6つ
猫が最初に情報をキャッチするのは、五感の中でも最も優れている耳。耳の根元には27もの筋肉があり、約180度動かすことが可能に。そのため、耳の角度にはさまざまな猫の気持ちが表れているのです。
ここからは、耳の角度でわかる猫の気持ち6つについて、くわしく見ていきます!
①力が入らずまっすぐ立つ→「平常心」
気持ちが穏やかで何も考えていないときは、筋肉の力が抜けて、耳はただまっすぐ立っている状態になります。
近距離を移動するときや、体を起こして無心で座っている状態のときなどに見られます。
②ペタッと伏せる→「恐怖」
怯えて恐怖を感じているときは、全身に力が入って体が縮こまり、そして耳が平たくなります。
たとえば、苦手な音が聞こえたり、強い相手に睨まれて「負けそう…」と弱気になったりしたときに見られます。
③後ろへ反る→「怒り、拒否」
耳に力が入り後ろに反るときは、怒りや拒否の気持ちです。「このままだと攻撃するぞ!」と強気で怒りをアピールする際や、同居猫や窓の外に見えるノラ猫に対して見せることが多いです。
人に対しては、「近づかないで!」という意味も。
【豆知識】気持ちが強いほど、反る角度が大きくなる!
耳の反り具合に、気持ちの強さが出ます。これ以上回らないほど耳を反らせているときは、強い怒り、拒否の気持ちでしょう。
④ピンと立ち、音のする方に向く→「興味、緊張」
耳がピンと立ち、音のする方を向いているのは、獲物らしきものや見慣れないものなどに対して興味を示したり、少し緊張したりしたときに見られる形。
リラックスしているときに比べると力が入り、耳だけではなく目もそちらに向けて、くわしい情報を得ようとしています。
【豆知識】気持ちが強いほど、房毛が立つ!
対象物に注意が向いているとき、耳全体に力が入ります。すると、耳の先端に生えている「房毛(ふさげ)」がピンと立つのがわかるでしょう。
⑤顔と違う方向に向く→「リサーチ」
何かが聞こえたとき「ちょっと気になる」という程度なら、耳だけをくるっと音のする方へ動かします。まるで、動くパラボラ集音器のようにして、音に集中しようとするのです。
⑥少しだけ外を向く→「リラックス」
まどろんでいる状態や「これからどうしようかな〜」とリラックスしながら過ごすとき、耳が少しだけ外側に向くことがあります。
不機嫌なときにも耳を外へ向けますが、リラックスしているときは頭が少し下がり気味で、目も閉じ気味に。
折れ耳や反り耳の猫のチェックポイントを解説♪
スコティッシュフォールドのような折れ耳や、アメリカンカールのような反り耳の猫でも、立ち耳の猫と同じように筋肉が働くので、根元をじっくり見ると変化がわかります。
耳の付け根がかすかに反る
それでもわかりにくい場合は、しっぽやヒゲ、姿勢の状態と併せて確認をしてみて◎
飼い主さんはぜひ愛猫の耳から気持ちを読み取って、コミュニケーションに役立ててみてくださいねっ♪
参考/「ねこのきもち」2018年9月号『キホンからカンチガイしやすいものまで パーツでわかるねこのきもち』
(監修:帝京科学大学助教、動物看護師 小野寺温先生)
文/雨宮カイ