猫を飼っているみなさん! 突然ですが……ケージって使っていますか? なかには、「愛猫をケージに入れるのはかわいそう」と思っている方もいるかもしれません。
「ねこのきもち」では、ケージを使っているかどうか読者アンケートを実施してみました。
その結果がこちら……↓↓
「ねこのきもち」読者アンケートでは、約半数がケージを使用!
「ねこのきもち」読者の約2人に1人は、ケージを使っている昨今(上記グラフ)。また、「No」と答えた人の中でも、約4割はケージを所有していて、使おうと試みたことがわかります。
ケージを持つ飼い主さんが多い理由は?
獣医師の鵜飼佳実先生によると……
「ケージは単に猫の行動を制限するだけではなく、危険から守ってくれます。使用者が多いのは、その認識が普及してきたのと、家を空ける時間が長いことから『自分の目が行き届かないときも、愛猫を守りたい』という、意識の高い飼い主さんが増えたからでしょう。
また、そのほかにも、ケージは飼い主さんと猫の生活を快適にするメリットがたくさんあるのです!」
とのこと。
この記事では、「ケージを使うことのメリット」「猫をケージへ慣れさせるコツ」について、くわしく見ていきます。
ケージってどんな役割があるの?
ケージは囲まれた狭い空間なので、猫の習性からいえば、本来は猫が好む場所。そのため、慣れさえすれば、猫にとって最適な居場所になります。
また、猫は繊細な動物。ケージという猫専用の安心できるスペースがあることで、いろいろなリスクを減らすことができるのです。
ケージを使うことの3大メリット
ケージを使うことのメリットとしては、大きく分けて以下の3つが挙げられます。
①周りが囲まれていて、猫がくつろげる
野生時代、猫は穴ぐらをすみかとしていました。その名残で、ケージのような囲まれた場所を好む傾向があります。
②行動を制限できるから、脱走を防げる
ケージは猫の行動を制限できます。荷物の搬入などで玄関を開放しても、猫が脱走するリスクをなくせます。
③空間が分けられていて、猫同士のケンカを回避できる
ケージで猫の居場所を仕切ることで、ケンカをしてもクールダウンをさせたり、それぞれの食事管理をすることもできます。
まだまだある! 猫のケージの活用法3つ
また、上記の3大メリット以外にも、下記のような活用法もあります。
①行動を制限できるから、いたずらや誤食が防げる
猫は好奇心旺盛です。何でも触ったり口にしたりしたがりますが、ケージに入れていれば、飼い主さんがそばにいられないときも、危ないものに近づく危険を回避できます。
②高さがあるから、猫タワー代わりになる
ケージには、2段や3段タイプがあります。そのため、猫の上下運動を促すことができて、猫タワーの代わりにもなります。運動ができる意味では、ストレス発散にも!
③頑丈な構造なので、災害時の避難場になる
ケージは、地震などで倒れる家具や落ちてくるものなどから、猫を守ってくれます。また、猫からケージに入る習慣をつければ、緊急時に逃げ込むシェルターになるでしょう。
猫を無理なくケージに慣れさせるときのコツ
ここまで、ケージを使うことのメリットなどを見てきました。でも、猫がケージを使わなければ意味がありません。
ケージを猫の居場所にするには、とにかくケージに悪い印象をもたせないことが大切に。そのためにはまず、「ケージにいるといいことがある」と猫に印象づけましょう。
ケージの基本の慣れさせ方について、下記で順を追って説明します。すでにケージが苦手な猫やシニア猫でも、気長にこの方法を試せば、徐々に慣れてくるでしょう。
ケージへの基本の慣れさせ方
①ケージを置いたらすぐに扉を開けます。好奇心で、猫が自分から入るのを待ちます。
②猫が入ったら中でフードを与えます。最初は扉を開放したまま、慣れたら扉を閉めて与えましょう。
③上記②に慣れたら、次の食事からは、ケージ内にフードを撒いて与えます。
④猫がフードを食べ終えたら扉を開け、猫が出られるようにしましょう。
以降は、猫が慣れるまで、③⇔④を繰り返しましょう!
フードの食い付きが弱いなら、おもちゃで誘導しても◎
食べることへの執着が弱い猫には、おもちゃを使ってみましょう。ケージで遊び終えたら、しばらく扉を閉じて過ごさせるのを繰り返してみて。
"寝場所"になるように、猫が眠くなるときを狙っても◎
ケージを落ち着ける場所にするために、猫が落ち着くタイミングにケージに誘導するのもいいでしょう。
猫が基本寝ている日中や、遊び疲れたときに、フードでケージに誘ってみて。
ケージがあることで、日々のちょっとしたリスクなどから愛猫を守ることができます。「ケージが苦手…」というコには、この記事で紹介した慣れさせ方をぜひ試してみてくださいね!
参考/「ねこのきもち」2018年10月号『今からでも愛猫の"マイルーム"に ケージで叶うしあわせ猫生活』
(監修:東京都新宿区にある聖母坂どうぶつ病院獣医師 鵜飼佳実先生)
※一部の写真はスマホアプリ「いぬ・ねこのきもち」で投稿されたものです。
※記事と一部写真に関連性はありませんので予めご了承ください。
イラスト/mozneko
文/雨宮カイ