猫は日ごと時間ごとにいろんな場所にいますよね。その中でもお気に入りになる場所には、猫なりの気に入る理由があるようです。
今回は『ねこのきもち』本誌読者のアンケート結果からわかった、猫がよくいる5つの場所(ニャンスポット)と、そこにいるときの気持ちをそれぞれ紹介します。
「高いところ」にいるときは情報をキャッチしたい気持ち
異変を察知して迅速に対応したい
野生の猫は、敵に見つからないように、また敵を見つけやすいように長時間高い木の上にいました。室内飼いの猫には、命を狙われるような敵はいません。しかし警戒心が残っているので、猫タワーや家具など周囲を見渡せる高い場所から異変がないか状況を把握し、何かあればすぐに対応したいと思っているのです。
「外が見えるところ」にいるときはワクワクドキドキの気持ち
外の変化にシゲキを受けて好奇心旺盛に
室内飼いの猫にとって、窓辺から見える刻々と変わる空の色や、風に揺れている葉、動く人や車、鳥など、外の景色はすべてが刺激的。たとえ冷静に外を眺めているように見えても内心はワクワクドキドキしています。朝、カーテンが開くのを心待ちにしている猫も多いはず。
「柔らかいところ」にいるときは子猫に戻ったような気持ち
母猫に似た感触で甘えモードに
体が柔軟な猫は、硬い地面に座っても体に負担がかかりにくいといわれています。しかし、布団や毛布、衣服の上など、柔らかいところにいる猫は多いもの。それは、柔らかい感触が子猫の頃に寄り添っていた母猫に似ているから。甘えモードでゴロゴロとのどを鳴らす猫もいるでしょう。
「暗くて狭いところ」にいるときは気付かれたくない気持ち
誰にも邪魔されず落ち着きたい
野生時代、猫は単独で行動し、敵から身を隠すために、穴蔵などの暗くて狭い場所に身を潜めていました。その名残から、飼い猫も1匹で家具の下や隙間などにいることが。一見、寂しそうに見えますが、猫は誰にも気付かれたくない気持ちで隠れていることがほとんどです。
「飼い主さんのそばにいる」ときは親愛に満ちた気持ち
一緒にいて心から安心し、愛しい気分
人と暮らす飼い猫にとって飼い主さんは、母猫やきょうだい猫のように信頼できる存在。猫が自ら飼い主さんのそばに寄ってきている場合は、親しみと愛情に満ちた気持ちでいっぱいです。そばにいるといっても、性格の違いによって密着する猫もいれば、少し距離をとる猫もいるでしょう。
あなたの愛猫がよくいるニャンスポットはありましたか? 猫がお気に入りの場所にいるときにその気持ちを察してあげると、より信頼関係を強められるかもしれませんね。
参考/ねこのきもち2019年9月号『居場所でわかるねこのきもち』(監修:帝京科学大学助教 動物看護師 小野寺温先生)
文/浪坂一
撮影/石原さくら、Akimasa Harada、小森正孝、長谷川里美
※この記事で使用している画像は2019年9月号『居場所でわかるねこのきもち』に掲載されているものです。