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愛犬・愛猫は大丈夫?脱水症状かどうかセルフチェックする方法【動物看護師が解説】

脱水といえば、たくさん汗をかく夏に起こるものと思っていませんか?
実は脱水は冬にも陥る可能性のあるもので、その危険は犬も猫も同じです。特に猫はあまり飲水をしない動物なので意識的に水分補給をさせて、脱水を防ぐ必要があります。とはいえ、犬や猫が「喉が渇いた」と申告してくれるわけではありませんから、今脱水しそうなのか、大丈夫なのか、わかりませんよね。そんな時に役立つのが脱水のセルフチェックです。

皮膚をつまむだけの簡単なテスト

脱水しているかどうか正確に知るためには、血液検査を行う方法があります。目視で血液がドロドロしているのか・サラサラしているのかを確認し、さらに数値上で血液中の水分と血球などの成分の割合を見て脱水の有無を判断します。しかし自宅でそんなことはできませんし、脱水か心配になる度に病院で採血をするわけにはいきませんのでもっと簡単なチェック方が必要ですよね。

自宅で簡単にできる脱水チェックは、”皮膚テント”を作ることです。やり方は簡単で、皮膚に余裕のある部分をつまみあげてテントを作るように三角形にします。腕や足などは引っ張る余裕のある皮膚はあまりありませんので、背中、特に肩甲骨の間を引っ張りあげると良いでしょう。

評価方法は?

皮膚を持ち上げてテントをつくったら、そっと離します。通常であれば割とすぐに体表へ沿うようにして皮膚は戻りますが、3秒以上かかって戻る場合は脱水の症状が疑われます。重度の脱水症状があるといつまで経っても皮膚が戻ることがないでしょう。皮膚が戻る時間を測って、脱水の有無を評価してみてください。ただし、この方法で正確に判断できるわけではないので、体調の悪さが見られるようであればかかりつけの動物病院へ受診しましょう。

その他の方法は?

皮膚テントを作る以外にも、脱水していないか確かめる方法があります。
通常、口腔内は脱水していなければ潤っていて、色も鮮やかです。しかし、脱水が進むと歯肉を触っても渇いているように思えたり、唾液がいつも以上にネバついていたり、口臭がきつくなったりする傾向にあります。普段からペットの口腔内を何気なくチェックする習慣をつけると、異常を見つけやすく、病気の早期発見にもつながるでしょう。

病的な脱水は飲水量が原因ではない

軽度の脱水であれば飲水量に左右されることがありますが、起立できなくなるほどの脱水は病気が絡んでいることがほとんどです。熱中症に起因する脱水の場合は基礎疾患がなくても起こり得ますが、その他の季節では半日程度水を飲まなかったせいで命に関わる程になることはほぼないでしょう(ただし、健康な犬猫に限ります)。あまり飲水をしないからといって、神経質になる必要はありませんが、ある程度できる努力はするようにしましょう。

元々体質的にあまり水を飲まないのであれば、水分を吸収しやすい犬猫用のスポーツ飲料を与えることも良いでしょう。食事はなるべくウェットか、ドライをふやかすなどして自然と水分を取れるようにしてあげると良いですね。人間用のスポーツ飲料は、塩分や糖分も多く身体への負担になりますので、「薄めたから大丈夫」ではなく与えること自体をやめましょう。

脱水すると血液の流れが悪くなり、体全体の循環が悪くなります。内臓や脳への血液の流れも悪くなり、ひどいケースは多臓器不全なども起こることがありますので普段から水分をとることを意識した環境づくりをしてあげましょうね。


文/動物看護士 木本 由季
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