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犬・猫の殺処分ゼロを推進するために。「ワンニャピアあきた」の取り組みとは

秋田空港からほど近く、県立中央公園の敷地内にある「ワンニャピアあきた」。
今回は「犬猫の殺処分ゼロ」を推進する拠点として、今年から運用が始まったセンターの取り組みについてご紹介します。

※記事内容はすべて、2019年8月10日現在のものです。

猫たちの命を繋ぐために

秋田県で所有者不明で引き取られる猫は、子猫が成猫の3倍ほど多いそう。生後約4週までは数時間おきの哺乳や排せつのお世話が必要になるため、この時期のお世話をしてくれるミルクボランティアの育成と活用が急務なのだとか。

一方、「『生後間もない子猫が母猫といっしょにいたら、固形物が食べられるようになるまでしばらく見守ってから連れて来てほしい』といったお願いを聞き入れてくれる人が増えたと感じます」と所長の金(こん) 和浩さん。付きっきりのお世話が必要な時期を乗り越えることが、命をつなぐために重要なことだと話します。

また、飼い主がいない猫に不妊手術を施し、住民やボランティアなどが共同で管理する地域猫活動の支援も、センターの取り組みのひとつ。県内からの要望をうけ、現在6地域の地域猫活動を支援しています。支援が決定した地域の猫はセンターで手術をして地域に戻し、継続的に支援を行うそうです。
撮影/林 孝明
↑(写真)「譲渡猫室」の子猫たち。厳しい冬を越すためにケージ一つひとつに床暖房が設けられているのは、寒くなる地域ならでは。室内ではラジオをかけて、人の声や音に慣れさせているのだそう。

飼いやすい猫を育みたい

譲渡により一匹でも多くの猫の命を繋げるため、「ワンニャピアあきた」ではさまざまな取り組みが行われています。

現在、センターでは譲渡前に不妊手術は行っていないので、オスとメスは同じ空間でいっしょに展示できません。すると、たとえばメスの成猫が多くオスの成猫が1匹だけの場合、オスの猫が同じ空間に入れず社会化が不充分に。

このような場合はオスの猫も同じ空間に入って来訪者やほかの猫とふれあえるよう、不妊手術を施すそう。また、できるだけ一般的な猫用フードを与えたりキャリーケースに慣れさせたりするなど、迎えた飼い主さんが飼いやすい猫に育てるための工夫も行っています。
撮影/林 孝明
↑(写真)人がいる環境にも慣れさせるため、ケージごと子猫を事務所スペースに連れてきて過ごさせているそう。職員の方が業務の合間にスキンシップを行う場面も。職場の空気が和やかになっているのだとか。
撮影/林 孝明
↑(写真)キャリーケースが苦手で迎えてから飼い主さんが困らないよう、1匹ずつキャリーケースに入れてセンター内を移動。
「飼い主がいない猫を生み出してしまっているのは人間。命を大切にする心を育む学習、啓発活動に力を注ぐことも重要と考えています」と金さん。動物たちの「ユートピア(楽園)」となることを願って名付けられた「ワンニャピアあきた」。すべての動物が幸せになるユートピアへの道を、着実に歩み始めています。
問い合わせ先
秋田県動物愛護センター
TEL:018-827-5051


参考/「ねこのきもち」2019年10月号『猫のために何ができるのだろうか』
文/浪坂一
撮影/林 孝明
※この記事で使用している画像は2019年10月号『猫のために何ができるのだろうか』に掲載されているものです。
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