毎日見る愛猫の行動、当たり前のようだけどよく考えると「あれ?」とギモンに思うことも。
猫は夜行性なのに夜寝るの?
紙切れ1枚の上にも必ず乗ろうとするのはナゼ……?
など、そんなギモンを紐解いて、猫の本音に迫ります♪
「鳴く」にまつわるギモン
話しかけるような声で鳴く猫や、逆にほとんどなかない猫。「鳴く」という行動ひとつとっても、気になることがいろいろありますよね。
猫は舌が短く、本来は鳴くのが苦手な生き物。野生時代は、獲物に気づかれないようなるべく鳴かないようにしていましたし、単独行動をするので鳴く必要もなかったといいます。そんな猫が、どうして人との暮らしの中ではよく鳴くようになったのでしょうか。
「鳴けば要求が通る」と学習した
猫は要求によって鳴き方や鳴き声の大きさ・高さを変え、どんなふうに鳴けば要求が通るかを学習して、「効果があった鳴き方」を覚えています。そのため、それが飼い主さんにとって困る要求の場合は、グッと我慢して「知らんぷり」をすることも必要です。
性格や猫種の影響も
一般的に、よく鳴く猫は飼い主さんへの依存心が強く、積極的な性格の子が多い傾向が。逆にあまり鳴かない猫は独立心が強く、控えめな性格といえそうです。
猫種で「おしゃべり猫」として知られているのはシャム。逆にロシアンブルーは「ボイスレスキャット」と呼ばれることもあります。
「寝る」にまつわるギモン
猫は「寝子」といわれるほど、1日のうちの大半を睡眠にあてて過ごします。しかし、夜行性のはずなのに夜になると飼い主さんと一緒にスヤスヤ……いったいなぜなのでしょう。
飼い主さんに都合を合わせている
飼い主さんが起きている間は、ご飯がもらえたり、遊んでもらえたりとイイコトがたくさんあるので、猫は飼い主さんと一緒に夜眠るようになりました。しかし、早朝になると「朝ごはんちょうだい!」と起こされることもありますよね。
猫は「薄明薄暮性」といわれていて、明け方と夕方にもっとも活発になる傾向があるようです。「夜中の大運動会」を開催してしまう猫は、眠る前にたっぷり遊んであげると、体力を消耗してぐっすり眠ってくれますよ。
「乗る」にまつわるギモン
椅子に座ると必ず膝の上に来たり、広げた新聞の上にわざわざ座ったり。可愛いけれど、猫の「乗る」には「ナゼ!?」が尽きません。
野生時代、敵から身を隠したり獲物を見つけたりするために、高い木の上などに登る習性があった猫。ライバルに優位性を示すためにも「より高い場所」を好む傾向が残っていて、高い場所に乗ることで猫は本能的に“いい気分”になれるようですが……?
「心地よい」から乗りたがる
高い場所だけではなく、紙や新聞のような薄っぺらいものにも乗りたがる猫。これは、冷たい地面よりも紙の上のほうが暖かいとか、紙の感触が気持ちいいなど、“心地よいから”という理由で乗っていると考えられます。
人の膝の上に乗るのも、「その人が好きだから」という理由以外に「やわらかい」「温かい」など、心地よさを優先している場合も多いようです。
要求を通そうとしているのかも
また本や新聞、パソコンなど、人が使っているものに猫が乗ってくるのは「アピール」です。本能的というよりは「こうしたら飼い主さんがかまってくれた」と猫が学習した結果、とるようになった行動と考えられます。
本能と学習の合わせワザ!
「鳴く」「寝る」「乗る」にまつわる猫の不思議な行動は、野生時代からの本能と、飼い主さんとのコミュニケーションを通した学習の合わせワザだったんですね。猫なりの理由がわかったら、いつもの鳴き声や寝姿も、ちょっと違って見えてくるかもしれませんね。
参考/「ねこのきもち」2018年2月号『よくする行動の謎にせまる! 猫を解き明かす5つのN』(監修:哺乳動物学者 川崎市環境影響評価審議会委員 「ねこの博物館」館長 日本動物科学研究所所長 今泉忠明先生)
文/momo
※写真はスマホアプリ「いぬ・ねこのきもち」で投稿されたものです。
※記事と写真に関連性はありませんので予めご了承ください。