猫の毛柄をじっくり観察すると、同じ柄の猫はいませんよね!猫の毛柄は20種類以上の遺伝子が複雑に組み合わさって表れたものであり、毛柄によって猫のルーツや性格の傾向も異なります。今回は「トラ柄」猫の種類や特徴を紹介。「トラ柄」猫の個性を知り、愛猫との仲をより深めましょう!
「トラ柄」とはどんな模様のことをいうの?
「トラ柄」は日本にいる猫の毛柄の中でも多数派で、代表的な毛柄です。
この毛柄の特徴は、背骨に沿って太い1本の直線の模様(=スピンライン)があり、そこから左右対称に、トラのような細いしま模様が入っていることです。しま模様が途切れて、ヒョウ柄のような斑点になる場合もあります。
「クレオパトラライン」といわれる目尻から頬にかけての2本のラインや、前足に輪っか状のラインが入る「ブレスレット」と呼ばれる模様も特徴的です。
「トラ柄」の種類は3パターン
しま模様の入り方は同じですが、全身の色の違いにより「キジトラ柄」「茶トラ柄」「サバトラ柄」の3つに分けられます。
一番基本となるのは「キジトラ柄」。そこにオレンジの毛色をつくる遺伝子が加わると「茶トラ柄」になり、シルバーの毛色をつくる遺伝子が加わると「サバトラ柄」になります。
それぞれの「トラ柄」猫の特徴は?
1.「キジトラ柄」
黒と茶色のしましま柄
全身は茶色ベースで、黒いしま模様が特徴。このしま模様はお腹まで続いており、しっぽの模様は先になるほど濃くなっています。
猫の毛柄の元祖!
「キジトラ柄」は、新種の遺伝子の影響を唯一受けていない毛柄。猫本来の毛柄に近いといわれており、飼い猫の祖先である「リビアヤマネコ」の毛柄とほぼ同じです。そのため、すべての毛柄はここから始まったと考えられています。
警戒心が強いが、なつくとよく甘える性格
見知らぬ人が苦手、ほかの猫には慎重になるなど警戒心が強い一方、飼い主には心を許すとべったりの甘えん坊が多いようです。野生猫の毛柄を受け継いでいるため、野性味が強く本能をむき出しにするワイルドな一面も見られるようです。
2.「茶トラ柄」
オレンジのしましま柄
全身がオレンジ色で、そこに濃いオレンジ色のしま模様が入っているのが特徴。お腹は全体的にオレンジ色となっており、しっぽの先は色が薄くなっています。この色合いから、アメリカでは「ジンジャー(生姜)」とも呼ばれているようです。
オス猫の割合が多い
「茶トラ猫は大きい」という話を、耳にしたことがある人もいるでしょう。「茶トラ柄」は、遺伝的にオス猫の割合が多いようです。メス猫に比べて骨格がしっかりとして体も大きめなオス猫をよく見かけるため、そのような話が出てきたようです。
気持ちをストレートに表す直球型の性格
天真爛漫で温厚、活発な猫が多いようです。遺伝的にオス猫が多いため、欲望に忠実な性格が表れているのだとか。
3.「サバトラ柄」
黒とシルバーのしましま柄
呼び名の由来は、魚のサバの色に似ているからといわれています。全身は銀色で黒のしま模様が入っています。「キジトラ柄」と同様、お腹にもしま模様があり、しっぽの先は黒一色です。
日本での歴史は浅い
歴史的に見ると「サバトラ柄」は、戦後海外から入ってきた洋猫と日本にいた猫が交配して生まれたといわれています。日本での歴史は浅いため、ほかのトラ柄よりも数は少ないですが、ここ数十年で急激に増えているようです。
慎重または活発な性格が多い
猫の祖先に近いしま模様と、洋猫に見られるシルバーの毛色の両方を併せ持っているため、慎重なタイプと活発なタイプに分かれるのだそう。野性的な性質を受け継ぐと、警戒心が強めな部分が強く出てくるようです。
今回は「トラ柄」について紹介しましたが、ほかにも猫の毛柄にはさまざまなバリエーションがあります。
ぜひ、愛猫ならではの毛柄の特徴や個性を見つけてみましょう!
参考/「ねこのきもち」特別編集『体の色・模様から愛猫のことを知ってもっと仲よく!楽しく!毛柄がいっぱい!ねこのきもち』(監修:哺乳動物学者 川崎市環境影響評価審議会委員 「ねこの博物館」館長 日本動物科学研究所所長 今泉忠明先生)
文/nishiyuka
※写真はスマホアプリ「いぬ・ねこのきもち」で投稿されたものです。
※記事と写真に関連性はありませんので予めご了承ください。