猫はその名の語源が「寝子」だという説があるほど、よく眠る動物。寝ている猫を見ていると、ときどきヒゲをピクピクさせたり、ふいに寝る場所を変えたりと不思議な行動をすることも。
そこで今回は、睡眠中の行動からわかる猫のキモチを解説します。
猫がよく寝るのには理由がある
猫の1日の睡眠時間は約14時間。なんと1日の3分の2近くを寝て過ごしています。なぜ猫がこんなに長く寝るのかというと、その理由は野生時代までさかのぼります。狩猟動物であった野生の猫は、いざ獲物を捕るときのためにふだんはエネルギーを温存しておく必要がありました。そこで、狩りをしないときはひたすら寝ることで消費エネルギーを節約するようになり、現在の飼い猫にも、その習性が受け継がれているのです。
睡眠中にヒゲをピクピクさせるのは、夢を見ているから!?
猫が寝ながらヒゲをピクピク動かしていたら、それは夢を見ているサインかもしれません。猫も人と同様、睡眠中は深い眠り「ノンレム睡眠」と浅い眠り「レム睡眠」を繰り返しています。しかし、警戒心が強い動物であるため深く眠る時間が短く、睡眠時間の大部分は眠りが浅い「レム睡眠」です。「レム睡眠」時は夢を見やすく、また眼球がよく動くので、眼球と連動するヒゲが動いているときは夢を見ている可能性が高いといえるでしょう。
寝場所をコロコロ変えるのは、快適さを求めた結果
気持ちよさげに寝ていた猫がふいに寝る場所を変えるのは、飽きたのではなくもっと快適な場所を見つけたから。猫は快適な場所を探す天才です。つねに環境の変化を敏感に察知して、適温かつ安全な場所を見つけて寝ています。そのため、人のように同じ場所に寝続けることはせず、その都度自分が一番快適な場所を求めて移動しているのです。
夜行性なのに夜寝るのは、飼い主さんに都合を合わせている!?
猫は本来、夜行性の動物ですが、飼い主さんに都合を合わせて夜に寝ることもあるようです。飼い主さんが起きている時間はごはんをもらえたり、遊んでもらえたりなど“イイコト”があるのを学習して、夜に寝る猫も増えてきたのでしょう。ただ、猫は「薄明薄暮性」ともいわれ、明け方と夕方に活発になる傾向があります。そのため、夜一緒に寝たとしても早朝には起きて、飼い主さんを起こそうとする猫が多いようです。
猫が幸せそうに寝ている姿を見ていると、こちらも幸せな気分になってきますよね。たまには寝ている猫のキモチを想像しながら、寝姿を眺めてみるのもいいかもしれませんよ。
参考/「ねこのきもち」2018年2月号『よくする行動の謎にせまる! 猫を解き明かす5つのN』(監修:哺乳動物学者 川崎市環境影響評価審議会委員 「ねこの博物館」館長 日本動物科学研究所所長 今泉忠明先生)
文/terasato
※写真はスマホアプリ「いぬ・ねこのきもち」で投稿されたものです。
※記事と写真に関連性はありませんので予めご了承ください。