猫は飼い主さんが食べているものに興味を示すことがありますが、「ほしい!」と愛猫にねだられたときに、むやみに与えたりしていませんか? じつは、人間が食べているものの中には、猫の健康に有害な成分が含まれているものもあるんです。
猫に与えたら命にかかわることもあるNG食材・料理10選
そこでこの記事では、「猫に与えてはいけない食材・料理」の中から、身近なもの10個を選出して紹介します。猫に与えてしまうと命にかかわることもあるので、絶対に与えないでください!
①「春菊」→【✕】アクが出る野菜は、尿石症の原因になることも
春菊やほうれん草などのアクが出る野菜には、「シュウ酸」が含まれています。シュウ酸は、摂りすぎてしまうと尿石症になる恐れがあるので、与えないほうが無難です。オシッコの病気をもっている猫には、絶対与えないで!
②「生の貝類(アワビ、ハマグリ、あさりなど)」→【✕】中毒症状や病気を引き起こす危険な成分が
生の貝類の内臓に含まれる「ビオフェオフォルバイトa」という物質は、猫が摂取すると光線過敏症(※)という病気の原因になります。生の状態で与えるのは危険なので、猫が欲しがっても与えないで!
※光線過敏症:日光を浴び続けると、耳などにかゆみ・炎症が起きる病気。
③「生のタコ」→【✕】消化も悪く下痢や嘔吐の原因にも
タコには、猫にとって有害な毒素である「チアミナーゼ」が含まれています。なので、生のまま与えるのはNG! 消化も悪く、胃腸に悪影響を及ぼす恐れがあります。
④「わかめ」「のり」→【✕】尿石症を悪化させる恐れが
のりやわかめに含まれるカルシウムなどのミネラル分は、尿石症を悪化させる恐れが。また、塩分も腎臓に負担をかけることになるので、絶対に与えないでください。特にオシッコの病気をもっている猫には、絶対与えないで!
⑤「いちじく」→【✕】皮膚炎を起こす危険が
いちじくの皮や葉、果肉には中毒を起こす成分が含まれています。猫が食べると、口の中が炎症を起こしたり、嘔吐することもあるので、絶対に与えないで!
⑥「カレー」→【✕】香辛料の刺激が猫の内臓に障害を起こす危険が
カレーは刺激の強い香辛料が大量に使われているので、猫が口にすると胃腸炎を起こすなど、内臓に負担をかけてしまいます。香ばしいニオイに誘われて寄ってくる猫もいますが、絶対に与えないで!
⑦「グラタン」→【✕】中毒を起こす食材を含むことが多いため危険
グラタンのソースは脂質や塩分が高いので与えないでください。また、玉ねぎが入っていることが多いので、少量でも猫が口にすると中毒症状を引き起こす恐れも。
⑧「焼き鳥」→【✕】タレや塩が付いていたらNG
焼いたり蒸したりした鶏肉自体は、猫に与えても大丈夫です。しかし、市販の焼き鳥は、すでに味付けがしてあるので与えないで!
⑨「ビール(アルコール)」→【✕】急性アルコール中毒を起こす危険が
ビールの独特のニオイに興味を示す猫もいます。ニオイを嗅いだときに鼻に付いた泡を舐める程度なら大丈夫でも、許容量を超えてしまうと急性アルコール中毒になることもあるので与えないで!
⑩「コーヒー」「紅茶」→【✕】カフェインが中毒を引き起こす
カフェインを含む飲み物を猫が口にすると、嘔吐や下痢などの症状をはじめ、心臓や神経系に異常をきたす恐れが。どちらも絶対に与えないでください。
この記事で紹介したもの以外にも、猫に与えてはいけない食材・料理はまだたくさんあります。
今、朝昼晩と家で食事をとる人が多いと思います。愛猫におねだりされる機会も増えているかもしれませんが、それが猫に与えても大丈夫な食材・料理なのかどうかを、充分確認するようにしましょう。
猫たちが飼い主さんと一緒に安全に「#stay home」できるよう、ぜひ意識してみてくださいね!
参考/『猫に与えてOK?NG? 食べ物図鑑』(監修:高円寺アニマルクリニック院長 高崎一哉先生)
文/雨宮カイ