気まぐれで飽きっぽいイメージのある猫ですが、一緒に暮らしてみると、何かに集中している姿をよく見かけます。いったい猫は、どのくらいの集中力をもっているのでしょうか。ペットとなった猫の本性を探るべく、猫の集中力について考えたいと思います。
猫の集中力の正体は「狩り」への強い執着心?
猫が集中しやすいのは、遊んでいるときや、外にいる鳥を見つめているとき、ゴハンを食べているときなど。猫にとって遊びは狩りの代わり、鳥は狩りの獲物、食事は狩りの結果となる行動ですから、猫が集中力を発揮するときは、「狩り」が関係していることがわかります。
これは、猫は人から何かを要求されることが少ないままペットとして飼われるようになり、ペットになったほかの動物よりも野性味を残して人と暮らしているため。野性味を残して人と暮らす猫は、狩りに対する執着心が強く、家の中でも本気で狩りを行うため、とても集中しているように見えるのです。
安心できる環境も関係している
野生時代の猫は敵に襲われる心配があるため、狩りをしている間も周囲の変化には敏感でした。しかし、家で飼われている猫は、家の中が安心だとわかっているため、存分に好きなことに集中できます。猫が集中しているときに触っても無反応になるのは、このためでしょう。
猫の集中力にまつわる意外な話も
狩りに集中力を発揮する猫ですが、おもちゃで遊んでいるときに、急に飽きたような行動をとるのはどうしてでしょう。猫の集中力には、こんな話もあったのです。
飽きっぽく感じる行動をとるのはどうして?
猫たちは、「集中して遊んでいたと思えば突然どこかへ行く」「大好きなおもちゃに急に興味を示さなくなった」のような飽きっぽく見える行動をとるときがあります。この行動の根拠は科学的にわかっていませんが、おそらく、狩りが完了し休息に入ると同じ行動だろうと考えられています。
猫たちが遊びに飽きたような行動をとっていたのは、本当に飽きたのではなく「狩りがひと段落したから」ということですね。
猫は犬より集中力が高い?
犬と猫に、フードを入れたおもちゃを与える実験をしたところ、犬は途中で飼い主さんに助けを求めましたが、猫は助けを求めず、長時間フードを取り出そうとし続けていたそうです。
この実験結果から、猫は人に頼らず、自分の力だけで頑張って成し遂げる集中力をもっていることがわかります。猫が人に依存せず自立した印象を与えるのは、こういう理由なのかもしれません。
猫ってやっぱりおもしろい!
猫には、高い集中力が備わっていることがわかりました。しかし自分の興味がある狩りにしか集中力を発揮していない点は、気まぐれといえるかも。
野性味を残し、いつも飼い主さんを惑わせてくれる猫たちから、今後も目が離せません。
参考/「ねこのきもち」2017年1月号『飽きっぽく、忘れっぽく、気ままに見えても… 集中力 記憶力 判断力ってあるみたい!』(監修:京都大学大学院文学研究科教授 藤田和生先生)
文/こさきはな
※写真はスマホアプリ「いぬ・ねこのきもち」で投稿されたものです。
※記事と写真に関連性はありませんので予めご了承ください。