猫が変わった行動をするとき、病院に連れていくべきかどうか、迷うことはありませんか?
なかには問題のないケースもありますが、一方で、命に関わるような重大な「病気」や「ストレス」が原因となることもあります。今回は、猫のちょっと不思議な行動に隠されたSOSサインをご紹介します!
実はその行動、SOSサインです!
お腹をなめ続けている
猫が、お腹など「同じ部分」をなめ続けている場合、原因としては「ストレス」「皮膚炎」などが考えられます。「ストレス」の場合は、全身をなめることが多く、「皮膚炎」の場合は、皮膚に赤いポツポツができるなどの症状があります。毛も抜け、ハゲるほど舐めてしまうこともありますので、悪化する前に動物病院へ。
ゴハンを食べようとして、フードを口からボロボロとこぼす
フードの食べ方は猫によって異なりますが、”ある日を境に頻繁に”こぼすようになったのなら、「口内炎」などで、口の中に傷みを感じていることが原因かもしれません。口内炎の場合は、水も飲みたがらなかったり、よだれの量も増えたりするなどの様子も見られます。悪化する前に動物病院へ行きましょう。
吐く頻度が増えた
猫はもともと吐きやすい動物なので、吐くこと自体に問題はありません。しかし、何度も繰り返し吐いたり、吐いたものに血が混じっていたり、誤食した異物を吐いたりした場合は要注意です。また、猫が吐いたあとに荒い呼吸をしている場合、「食道炎」や「食道裂孔(れっこう)ヘルニア」などの病気も考えられます。早急に受診してください。
椅子の脚などの”鉄”をなめたがる
猫が鉄をなめるとき、多くの場合は「栄養不足」「消化管内の寄生虫」が原因と考えられます。「内分泌系」「代謝」「中枢神経」「脳」の異変が隠れていることもあるため、受診が必要です。
また、若い猫の場合は、”好奇心でなめているだけ”ということもあります。
猫の「排せつ」の変化や行動に隠されるSOS
排便後、お尻を床にこすりつける
猫が、排便後にお尻を床にこすりつける行動は、ウンチが出にくい「便秘症」か、逆にウンチが軟らかすぎることが原因だと考えられます。繰り返し行っているようなら、療法食で改善するようにしましょう。また肛門腺がたまっていることが原因であることも。
心配な場合は受診しましょう。
オシッコの量が増えた
猫のオシッコの量には個体差がありますが、徐々に量が増え始め、明らかに色が薄い場合は要注意。「慢性腎臓病」「糖尿病」「ホルモン疾患」などの病気が考えられるため、疑わしい場合は受診しましょう。
丸1日オシッコをしていない
”トイレには行くのにオシッコをしていない”という場合は、「膀胱炎」「尿路結石」になっていることが。オシッコを出すときに唸ったり、オシッコに血が混じっていたりする場合も要注意です。一方で、猫によっては、「トイレ環境への不満」が原因でトイレに行かないということもあります。
原因はさまざまですが、オシッコを出せない状態が続くと、急性腎不全となり命の危険があるため、早急に動物病院を受診しましょう。
愛猫の”いつもと違う様子”に感じる違和感は、SOSの可能性アリ!
具合が悪かったり、ストレスを抱えていたりしても、猫は「助けて!」ということができません。しかし、なかには「命に関わるケース」もあり、一刻も早く医療機関への受診が必要な場合も。愛猫にとっては飼い主さんだけが頼りですから、ちょっと変わった不思議な行動に隠された猫からのSOSにも気づいてあげましょう。
参考/「ねこのきもち」2018年7月号『愛猫の健康管理やお世話etc. これはほっとけない!獣医師&専門家が飼い主さんのお悩みにお答えします!』(監修:Pet Clinic アニホス院長 弓削田直子先生、帝京科学大学生命環境学部アニマルサイエンス学科准教授 加隈良枝先生)
文/いけてぃん
※記事と写真に関連性はありませんので予めご了承ください。