猫と暮らす
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意外なことが不信感を抱くきっかけに? 猫が飼い主に心を閉ざしているときの対処法
この記事では、猫が心を閉ざしているときに見せるサインや、心を閉ざしてしまう原因・対処法について、ねこのきもち獣医師相談室の先生が解説します。
心を閉ざしている猫が見せるしぐさ・行動は?
「警戒心が高まり、人から距離を取ろうと振る舞うことが多いです。狭い場所や高い場所、暗い場所などに隠れてしまうこともあります」
猫が心を閉ざしてしまう原因は?
「飼い主さんを含め、人間やほかの猫の行動に対して不信感や不快感・警戒心を抱くと、その対象にはそれ以後は積極的に関わろうとしなくなり、心を閉ざした状態になってしまうことがあります。
まれにですが、突然の大きな物音や振動などのアクシデントによって非常に驚き、パニックになってしまうようなことが起こると、そのアクシデントを目の前にいる飼い主さんのせいだと誤解して、その後しばらく人間に対して不信感を抱いてしまうこともあります」
心を閉ざしている猫にしてあげたいケア
「猫が心を閉ざしてしまうと、警戒心が今まで以上に高まり、人や同居猫などほかの存在に対して積極的には関わりたくない気持ちになっているはずです。
まずは、猫の高まった警戒心が落ち着くのを待ち、それから穏やかな関りを無理のないように始めるとよいでしょう」
「そうですね。警戒心が高まっているタイミングでは、猫が嫌がることは極力避けましょう。もしもどこかに身を隠してしまっているようであれば、猫自身が自分の意志でその場所から出てくるまで、しばらくそっとしてあげるほうがよいでしょう。
もしも長時間隠れ続けて、食事や排せつも控えてしまうようであれば、隠れている場所のそばに水や食事、トイレなどを用意して、その後は距離を取ってできるだけ静かに見守りましょう」
大きな生活音には注意してあげよう
「たとえば、騒々しい物音はさらに猫の警戒心を高めてしまうことがあるので、注意が必要です。テレビやラジオなどの音声は普段よりもやや小さくしたり、家族同士の会話も大声でのコミュニケーションはできるだけ控えるなどの配慮があるとなおよいでしょう」
警戒していた猫が姿を見せ始めたときの対応は
「猫が姿を見せるようになったら、まずは小さな声で名前を呼ぶところから優しい声かけをはじめ、猫に対する愛用表現を示す『ゆっくりとした瞬きのアイコンタクト』を送りましょう。
また、愛猫が好んでいるおやつや食事などを愛猫から見える場所で用意し、それを愛猫が安心しやすい高い場所や隠れる場所のそばに置いて与えるのも、緊張感をほぐし信頼感を取り戻す助けになると思います。
その後は、愛猫が徐々に近づいてきてくれるようになったら、愛猫が好んでいたコミュニケーションをしてあげたり、遊んであげたりしてください。愛猫が心を閉ざす前と同じ接し方を短時間から再開し、愛猫の反応を見ながら関係の修復を続けましょう」
「そうですね。猫が一度心を閉ざしてしまうと、もう一度元の関係に戻るのに予想以上に長い時間がかかることもあります。焦らずに時間をかけて、愛猫の気持ちをほぐしてあげることを心掛けましょう」
取材・文/sorami
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