冬の寒い季節は人だけでなく、猫も免疫力が下がり体調を崩しやすくなります。そんなときに活発になるのが、猫カゼです。猫カゼは、発症すると猫自身の体が辛いだけでなく、重症化して命にかかわることもあるので、予防したい病気のひとつ。そこで今回は、猫カゼの予防法と悪化させないための対策を紹介します。
猫カゼになるとどうなるの
猫カゼは、ウイルスによって引き起こされる感染症で、原因の多くは猫ウイルス性気管支炎(猫ヘルペスウイルス感染症)と猫カリシウイルス感染症という2種類のウイルスだといわれています。
これらのウイルスに感染すると、咳・くしゃみ・鼻水・発熱などの症状に加え、目ヤニの症状もあらわれます。また猫の咳は人と違うので、初めてみる人にはわかりにくく、咳をしているというよりは「気持ち悪そうにしている」と感じる飼い主さんもいるようです。
重症化して肺炎などを起こすと命にかかわることもあるので、猫カゼはとても怖い病気といわれています。
猫カゼを防ぐ・悪化させないために
飼い主さんが外出する以上、家に全くウイルスを持ち込まないというのは、難しいかもしれません。だからこそ、猫カゼを防いで悪化させないために、次の2つを心がけましょう。
定期的に予防接種を受ける
猫カゼにはワクチンがあります。あらかじめ予防接種を受けていれば、愛猫が万一猫カゼを発症しても、症状の悪化を防ぐことができるのです。カレンダーに記録するなどして、定期的に動物病院へ行き、獣医師の指示に従って予防接種を受けさせましょう。
異変に気付いたら、即受診する
猫カゼは、炎症が広がらないうちに症状を和らげることができれば、重症化を防げます。そのためには早めの受診が大切になるので、鼻水などの症状に気付いたときは、様子を見ないですぐに動物病院へ連れて行きましょう。
生活環境からも予防を心掛けて
猫カゼの発症を防ぐためには、免疫力を低下させないことも大切です。愛猫がふだん生活する空間を見直して、必要な対策をしましょう。
つねに暖かい場所を用意する
冬に人のカゼが流行るように、猫も体が冷えると免疫力が低下します。愛猫の体を冷やさないためには、猫がいつでも暖をとれるスペースを用意してあげることが大切でしょう。
たとえ空調で室温を調整しても、朝と晩では部屋の温まり方が違うもの。室温コントロールにプラスして、愛猫が自由にもぐり込めるベッドや毛布などを用意してあげたいです。
ストレスに感じるものを避けてあげる
猫は、強いストレスを感じていると免疫力が下がるといわれています。引っ越しや家族構成の変化、来客などで、愛猫がストレスを溜めることがあるかもしれません。少しでも思い当たることがある場合は、愛猫が安心して過ごせる環境をつくってあげましょう。
刺激物を猫に近付けない
たばこの煙や芳香剤のニオイによる刺激が原因となって、咳を誘発してしまうことも。
猫の居場所付近にニオイの元がある場合は、居場所を替えたり、ニオイの原因を取り除いてあげましょう。
人もそうですが、猫も病気の予防には免疫力を低下させないことが大切です。そのためには、体を冷やさずに、ストレスや刺激物の少ない生活を心がけましょう。定期的に動物病院を受診することも忘れずに。
参考/「ねこのきもち」2017年11月号『データで見る 愛猫を守るためにできることが見えてくる!イマドキ猫の健康事情(猫の呼吸器の病気で多いものは?)』(監修:聖母坂どうぶつ病院獣医師 鵜飼佳実先生)
文/こさきはな
※写真はスマホアプリ「いぬ・ねこのきもち」で投稿されたものです。
※記事と写真に関連性はありませんので予めご了承ください。