毎日の猫のトイレの様子をよ~く観察すると、猫によってはトイレをしている最中に独特のアクションをしていることがありますよね。
その“こだわり”の理由は? 獣医師の藤井仁美先生にお話しをお伺いしました。
シーン1 トイレの中の同じ位置でしかしない
ウンチもオシッコも同じ位置でします。トイレに入ると、トイレ砂を、用を足す位置に集めている気がします。トイレの中を何度か往復したあと、位置を定めて、排泄を始めます。(オス・1才/シンガプーラ)
【先生より】猫自身のこだわりが強い
排泄位置や排泄姿勢に対するこだわりが強い猫もいます。小さなトイレの中にも好みの位置があって、決まった位置でしかしないこともあります。また、好みの排泄姿勢でしかしないこともあります。
シーン2 トイレの中でオシッコをする位置とウンチをする位置が違う
オシッコのときは、トイレ砂を少しかいてから、トイレの奥の方にします。一方、ウンチは、トイレの中でぐるぐる回ってから、手前の方にします。(メス・12才/アメリカンショートヘアー)
【先生より】奥の方で落ち着く。前の方で見張る
オシッコとウンチでなぜ位置が異なるかは不明です が、排泄時により安心感を得たいときに、トイレの奥へ行くのでしょう。また、 猫の表情にもよりますが、 前の方で排泄するときは、 妨害されないか外を見張る気持ちになっているのかも。
シーン3 じっとこちらを見る
リビングにトイレを置いており、私がソファに座っていると必ずと言っていいほどすぐにトイレを始めます。トイレの最中はじっと私を見つめてきます。終わると、フーッとため息をつき、トイレ砂をかけ、悠々と去っていきます。私が片付けているところを遠目に見ていることもあります。(メス・1才/ブリティッシュショートヘアー)
【先生より】心が通じ合っている
排泄したらすぐに片付けてくれ、見つめると見つめ返してくれることがうれしいのでしょう。トイレ前後の一連の行動は、いわば飼い主さんに期待しての行動。心が通じ合っているようで微笑ましいですね。
シーン4 オシッコのときは真顔、ウンチのときは目を細める
集中できないだろうと思い、 トイレ中の猫をあまり見ることはありません。たまにチラッと見ると、オシッコのときは真顔、ウンチのときは目を細めている表情がかわいいです。(メス・2才)
【先生より】排泄の際に よくする表情
がんばって排泄に集中しているときの表情です。もし排便までに時間がかかるようなら、トイレの汚れなどを気にしている可能性も。トイレ砂の交換やトイレ容器の洗浄のサイクルを早めたほうがいいかも。
シーン5 オシッコとウンチで 猫トイレを使い分ける
形状の異なるトイレを2個置いていて、一方はオシッコ専用、もう一方はウンチ専用と猫自ら使い分けています。ウンチのあとはできるだけすぐに片付け、2個とも月に一度はトイレ砂を交換、容器も猫トイレ用洗剤で洗っています。(オス・3才)
【先生より】設置場所などに好みがある
ウンチとオシッコは、別の場所でしたいと感じる猫もいます。理由は猫によってさまざまで、トイレの設置場所やトイレの形状、ニオイの好みなどで判断して使い分けることがあります。
いかがでしたか。ひと口にトイレをすると言っても、猫によってさまざまなスタイルがあるようですね。
参考/「ねこのきもち」2021年1月号『猫のトイレ一部始終』(監修:代官山動物病院/自由が丘動物医療センター 獣医師 藤井仁美先生)
文/犬神マツコ
※この記事で使用している画像は2021年1月号『猫のトイレ一部始終』に掲載されているものです。