愛猫がいきなり飛びついてきたり、噛みついてきたりして、驚いたことはありませんか? じつは飼い主さんの無意識の行動によって、愛猫の「狩猟本能のスイッチ」を押してしまうこともあるようです。
この記事では、猫の狩猟本能を掻き立ててしまう可能性のある原因について、ねこのきもち獣医師相談室の先生が解説します。
猫の狩猟本能を掻き立ててしまう原因
猫には、生まれつき狩猟本能が備わっています。遊びたいときに急に飛びついてくることもあれば、飼い主さんが知らぬ間に猫の狩猟本能を掻き立ててしまうことも多いでしょう。
たとえば…
- 飼い主さんが揺れるアクセサリーを身に着けている
- ひらひらするスカートをはいている
- 髪型をポニーテールにしている
など、飼い主さんが思いがけないようなさまざまなことにも、猫は狩猟本能を掻き立てられます。猫は動くものを見ると狩猟本能のスイッチが入ってしまうのです。
人の手足で遊ばせるクセをつけると、飛びつきの原因にも
飼い主さんが手や足を生き物のように動かして遊ばせていると、「獲物だ!」と思ってしまうことも。これは、猫が飼い主さんに飛びついてくる原因にもなります。
猫が飼い主さんに飛びかかる前には、瞳孔を見開き、身を低くしておしりを上げている様子が見られると思います。おしりをふりふりしてから、飛びついてくるでしょう。
猫の狩猟本能を刺激してしまい、ケガをする飼い主さんも!
小さい頃から家庭で育った猫、とりわけ家に猫が一頭だけという状況だと、猫同士の遊びの力加減を知らずに育つので、飼い主さんがケガをすることがあります。狩猟本能によって、ランダムに動いたり止まったりする手や足を狙うので、飼い主さんが手や足を噛まれることが多いです。
そして、噛まれた際には飼い主さんが声を出すなどの反応があるので、ますます楽しくなっているようです。
甘噛みを許している場合は要注意
子猫のときに、甘噛みを許している飼い主さんもいると思いますが、そういった場合は成猫になったときに飼い主さんがケガをするということが多いです。甘噛みをいいと思って育った猫は足を狙うこともあるので、飼い主さんが足や手をケガしてしまうという話をよく聞きます。
狩猟本能が刺激されやすい猫の特徴
狩猟本能が刺激されやすい猫の傾向は、長毛種よりも短毛種に多いように思います。また、メスよりもオス、老猫よりも若い猫のほうが刺激されやすいと感じます。
あとは、遊びたい気持ちが満たされていない猫も、さまざまなものへ反応しやすいです。もともと外にいた猫は、家にあるものやおもちゃには興味がなく、無反応であることも多いです。外で出会うもののほうが魅力的で、刺激的に感じているのでしょう。
猫の狩猟本能を刺激しないための対策
猫が飼い主さんに飛びついたり、噛んだりして困っているという場合は、まず猫の狩猟本能を刺激しないようにしましょう。下記のような対策をしてみてください。
- 飼い主さんの手や足を使って、ひらひら動かすなどをして遊ばせない
- ひらひら、ゆらゆらと動くような服装をしない
愛猫がじゃれて飛びついてきたときに、喜ばせてあげたいと思うこともありますよね。その場合は、そのままおもちゃなどを使って遊んであげるとよいでしょう。ただし、おもちゃは竿やひもの部分が長いおもちゃを選んで、猫との距離を保ってください。
鼻息が荒くなったり、周りが見えなくなるほどおもちゃを追いそうになったら、遊びをいったん中断しましょう。呼吸が整うまでおもちゃは隠し、猫が落ち着くのを待ってあげてくださいね。
(監修:いぬのきもち・ねこのきもち獣医師相談室 担当獣医師)
※写真は「いぬ・ねこのきもちアプリ」で投稿されたものです。
※記事と写真に関連性はありませんので予めご了承ください。
取材・文/sorami