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猫が耳をピクピクと動かすときの心理 注意が必要なケースと対策を獣医師が解説

猫の耳がピクピクと動いている様子を見たことがある人もいるでしょう。このしぐさにはどんな理由があるのか、ねこのきもち獣医師相談室の先生が解説します。

猫が耳をピクピクと動かすワケ

見つめるスコティッシュフォールド
ねこのきもち投稿写真ギャラリー
——猫が耳をピクピクと動かしているときがありますよね。どのような理由があるのでしょうか?

ねこのきもち獣医師相談室の獣医師(以下、獣医師):
「猫が耳をピクピク動かすのは、何か気になる音が聞こえた際に、その音が発生している正確な方向や位置を確認しようとする際のしぐさです。こういったしぐさは、猫以外の多くの動物でも見られます。

元々、猫は非常に聴覚が優れているため、わずかな物音でも感じることができます。さらに、耳(耳介)を動かす筋肉もよく発達しているため、気になる物音がする際には、その音がする方向に耳を細かく動かして調節し、その音の情報をより多く得ることができるのです」

猫の耳がピクピクしがちなシチュエーションは?

何かが気になる猫
ねこのきもち投稿写真ギャラリー
——どういったシチュエーションになると、猫の耳がピクピク動くことが多いですか?

獣医師:
「特に気になる音の刺激を感じた際には、猫自身も『もっとよく聞こう』『意識して聞こう』という気持ちが働きやすく、その音をより精密にとらえようとして“耳をピクピクする行動”が目立って見られることもあります。

たとえば、下記のような状況のときによく見られるでしょう。
  • 楽しいおもちゃなどの物音にワクワクした気持ちになっているとき
  • あまり好きではない音(掃除機や洗濯機など)に警戒しているとき
  • 今までに経験がない初めて聞く物音の刺激を感じたとき

このように、猫が耳をピクピク動かすのは、特定の物音に対して好奇心や警戒心などの気持ちを感じ、気にしている表れといえます」

猫が耳をピクピクさせているときの注意点

見つめるマンチカン
ねこのきもち投稿写真ギャラリー
——猫が耳をピクピクと動かすしぐさで、じつは注意が必要だという場合もあるのでしょうか?

獣医師:
「そうですね。この動きは日常生活の中でもごく普通に見られる行動ですが、好奇心や緊張感、警戒心がいつも以上に高まったタイミングでは、より多くそのしぐさが見られる傾向があります。

そのため、猫がいつも以上に耳をピクピクする様子が多かったり、高い場所や物陰に隠れてじっとしているなど、緊張や警戒の気持ちが高まっていそうな行動が同時に見られるようなら、注意が必要です。

この場合、その音が猫にとっては不快な刺激で、ストレスになっている可能性があるからです」

——音に対してのストレスサインの場合もあるのですね。

獣医師:
「そうですね。一方、目立った物音などは特にしないのに、いつも以上に愛猫が耳をピクピクさせているような状況の際には、人には聞き取れないくらいのわずかな物音に対して緊張感や警戒心などを感じている可能性があります。

もしくは、精神的なストレスや体調不良などが原因で元々警戒心が高まりやすく、その影響で音の刺激に対していつも以上に神経質なっている可能性などもあるでしょう」

猫の耳がピクピク動く…対処が必要な場合とは?

外を見つめるブリティッシュショートヘア
ねこのきもち投稿写真ギャラリー
——猫が耳をピクピク動かしているとき、対処が必要なものはどんなケースでしょうか?

獣医師:
「一時的に耳をピクピクさせるくらいの行動であれば、むしろ猫としては自然な行動です。特にその行動を遮ったり、また過剰に音の刺激を減らすなどの対応は猫にとって退屈な生活環境になってしまうことがあるので、かえっておすすめしません

対策が必要なケースは、あまり頻繁に耳をピクピクさせていたり、緊張や警戒の気持ちが高まっていそうな他の行動も同時に見られる場合でしょう。その音の刺激が、愛猫にとっては不快なストレスになっている可能性を考えます。

まずは、その音の刺激に愛猫が集中しすぎないような工夫や配慮をしてあげることから対応をしてみるとよいでしょう」

——具体的にはどのような対策ができますか?

獣医師:
「たとえば、音を遮りやすい居場所を確保できるように、愛猫が隠れることができる場所を増やしてあげてみてください。

また、気にしてしまう音を聞き取りにくくする環境の工夫として、ラジオやテレビ・音楽など、普段の生活音に近いもので、愛猫が気になりにくい音をとても小さな音量でBGMのように室内に流してあげるのも、ひとつの対応です。

さらに、気晴らしの時間そのものを増やす対応として、こまめに遊んで気をそらしてあげるのもおすすめです。

こうした対策をしても状況が改善しないようであれば、万が一の体調不良の可能性も考えて、動物病院に受診をして相談をしましょう」


(監修:いぬのきもち・ねこのきもち獣医師相談室 担当獣医師)
※写真は「いぬ・ねこのきもちアプリ」で投稿されたものです。
※記事と写真に関連性はありませんので予めご了承ください。
取材・文/sorami
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