近年は猫トイレの選択肢も広がり、性能も見た目もグッとよくなってきていますよね。じつはそれを「どこに置くか」は、猫の健康を左右する大事なことなのだそう。
そこで、飼い主さんが「よかれと思って」置きがちな場所を、獣医師の小林清佳先生にジャッジしていただきました。これから梅雨を迎えると部屋の空気もこもりがちに。猫はもちろん、人にも快適な置き場所を見つけてみて。
その1:リビング
「目が届きやすい」「たいていの人がいるので温度管理がしやすい」などの理由で置いているようですが……
おススメ度:★★★★★
リビングは置き場所として最適
「リビング」や同様に人がメインで過ごす部屋は、猫が行きやすいだけでなく、人の目が届きやすい場所。排泄の様子をふだんから自然にチェックできるので、異変に気付きやすい上、すぐに掃除もでき、清潔を保てていいでしょう。温度管理がしやすいのももちろんメリットのひとつです。
その2:人のトイレ、洗面所
「人の使用時に猫の排泄物を確認できる」「トイレ砂が流せて掃除しやすい」「換気扇があるから」などの理由で置いているようですが……
おススメ度:★★★★
比較的こまめにチェックできるからアリ
人がちょくちょく行く場所なので、こまめにチェックできる上、換気扇があって排泄臭がしにくい点ではいい置き場所でしょう。強いていうなら、排泄中の様子を目にする機会が減ってしまうのが難点ですね。
その3:廊下・玄関
「猫の通り道だから」「すぐに見に行けるから」「ほかに置き場所がない」などの理由で置いているようですが……
おススメ度:★★★
あまり適切でないかも
家の構造や季節にもよりますが、猫も人も「廊下」や「玄関」は頻繁にいる場所ではないでしょう。とくに冬は寒さが厳しいので、猫が猫トイレまで行くのをためらい、泌尿器の病気にかかる一因になり得ります。あまりオススメはしませんが、猫の通り道なら置き場所のひとつにしても。
そのほかこんな場所に置くのはどうなの?
クローゼット・押し入れ
「暗い場所のほうが安心できそう」「よく隠れる場所だから」とクローゼットに置いている飼い主さんもいるようですが……
ニオイがこもりやすいものの……
どちらもニオイがこもりやすく、カビも生えやすい場所。また、排泄の様子がチェックできないので、オススメはしません。とはいえ、奥まった場所を好む猫がいるのもたしか。一度、今の場所にプラスして、リビングなどにフード付きのタイプを置いてみては。
窓辺
「お日様が当たるので日光消毒の効果も期待できそう」と思って窓辺に置く人もいるようですが……
窓からの光では日光消毒は期待できなさそう
猫や人が行きやすい場所なら置き場として問題はありませんが、窓から差し込む日光で消毒の効果は期待できないでしょう。むしろ細菌が繁殖しやすくなる可能性が。また、1階などでノラ猫がやって来るような場所なら、ストレスの恐れもあるので場所を変えて。
キッチン
「換気扇があるから空気がこもらなそう」「お客さんからも見えない」との理由でキッチンに置いている少数派飼い主さんもいるようですが……
衛生的にはよくない場所です
猫にとっては、来客もなく静かで落ち着ける場所のひとつなので、悪くはありません。とはいえ、どんなに猫トイレを清潔に保っていても排泄場所であることに変わりはありません。人の衛生面を考えるとあまりよくないでしょう。
小林先生によると、猫の排泄で大切にしたいのは、猫が「したいときにできること」。そのため猫トイレは、猫が行きやすいのはもちろん、清潔を保つため、飼い主さんがこまめに掃除できる場所に置くのがGOOD。快適なトイレ環境は猫の健康に繋がるので、この機会に見直してみてもいいかもしれませんね。
参考/「ねこのきもち」2018年7月号『みんなのおトイレMAP これでOK?』(監修:モノカどうぶつ病院院長 小林清佳先生)
文/ハナマサ
※この記事で使用している画像は2018年7月号「みんなのおトイレMAP これでOK?」に掲載しているものです。