体の表面をすみかとする、外部寄生虫のノミとダニ。猫が感染しやすく、どちらも寄生されてしまうとかゆみを伴います。とくに保護してきた猫は注意が必要です。大切な愛猫に寄生されないよう、ノミ・ダニについて知り、対策をしっかりと行いましょう。
激しいかゆみによって猫を苦しめるノミ
猫の皮膚を刺し、針から出した唾液によって強いかゆみを生じさせるノミ。猫に寄生するノミのほとんどが「ネコノミ」という種類で、毛の間をすり抜け活発に動きます。
ノミは、温度20~30℃、湿度50~80%の環境が一番繁殖しやすく、冷房や暖房、加湿などによって温度や湿度が整えられている室内は、ノミにとって最適な環境といえるのです。
そのため、室内で飼われている猫にとって、ノミは一年中近くにいる寄生虫といっても過言ではありません。
どこに寄生するの?
猫の毛の中にすみつき、全身どこでも寄生します。とくに、皮膚が薄い背中を吸血することが多いです。
こんなしぐさや症状がある場合は、すぐに病院へ
検査・治療方法
ノミ取り櫛などでノミの存在を確認し、駆除剤を投与します。駆除剤の投与によって、予防にもつなげることが可能です。
また、ノミに瓜実条虫が寄生している可能性があるため、その有無を調べる場合もあります。
感染力の高いダニ
ダニは感染力が高く、猫から猫へとうつる寄生虫です。感染している猫と接触したり、同じブラシを使ったりするだけでも感染してしまいます。
複数飼いの場合は、1匹が感染すると同居猫にも広がるおそれがあるため、注意しましょう。
猫に寄生しやすいダニの種類
・ミミヒゼンダニ
・ショウセンコウヒゼンダニ
・マダニ
とくに、ミミヒゼンダニ(通称:耳ダニ)が寄生しやすいです。
どこに寄生するの?
ダニによって寄生場所は異なりますが、おもに耳の中や顔まわりにすみつくことが多いです。マダニは、顔や体について吸血します。
こんなしぐさや症状がある場合は、すぐに病院へ
・顔まわりをしきりにかいている
・独特な刺激臭のする黒い耳垢が溜まっている
検査・治療方法
マダニは肉眼でも確認ができますが、ほかのダニは肉眼で確認することができないため、耳垢や毛などを採取し、顕微鏡で検査をします。
ダニが寄生していた場合は、ダニの種類に合った駆除剤が投与されます。
予防・早期発見のためにできること
1.猫を保護した場合は、動物病院で検査を受ける
ノラ猫の場合、寄生虫に感染している可能性が高いです。かゆがっている様子がなくても、すぐに動物病院を受診し、検査を受けましょう。
2.寄生虫の予防・駆除剤を投与
ノミやダニなどの寄生虫には、効き目のある予防・駆除剤があります。投与の期間や回数は地域によっても違いますが、飲み薬のタイプと、背中に滴下するタイプがあるので、猫に合わせて選択しましょう。
寄生虫のなかでも、感染しやすいノミやダニ。一度寄生されてしまうと駆除をするのも大変なので、できる限りの予防・対策をし、愛猫が寄生されないようにしましょう。
参考/「ねこのきもち」2017年7月号『知らぬ間に猫の健康を脅かすコワ~イ寄生虫にご用心!』(監修:サエキベテリナリィサイエンス 佐伯英治先生)
文/haremama
※写真はスマホアプリ「いぬ・ねこのきもち」で投稿されたものです。
※記事と写真に関連性はありませんので予めご了承ください。