猫の健康のためにも、こまめなトイレのお世話は欠かせません。しかし、誤った理解が猫の負担につながることもあるので注意が必要です。
今回は、飼い主さんがやってしまいがちな、間違ったトイレのお世話をご紹介します。正しいお世話のやり方も解説するので、ぜひ参考にしてみてくださいね。
【間違ったお世話】排泄中の異変に気づけるようにじっくり観察する
猫によっては視線にストレスを感じて、排泄を我慢してしまうことがあります。我慢が続くと、膀胱炎や尿石症を引き起こしてしまうおそれも。反対に、飼い主さんに見られていないと排泄できなくなってしまうこともあるでしょう。
【正しいお世話】ストレスを与えない方法で観察しよう
体調の異変は排泄中の様子に限らず、排泄物にもあらわれます。猫のストレスにならないよう、排泄物を確認する方法をとるとよいでしょう。排泄物を確認しやすいトイレの形や色を選ぶのもおすすめです。
なお、排泄中の様子が心配な場合は、ウェブカメラをトイレの近くに設置し、離れた場所から観察するのも一案ですよ。
【間違ったお世話】汚れを気にしないようトイレ砂を多めに入れる
トイレ砂が少ないと、猫が汚れやニオイを気にして、排泄を我慢してしまうことがありますが、多すぎると飼い主さんが排泄物の異変に気づかず、病気の発見が遅れるケースも。オシッコの病気は一度かかると長引くこともあるため、早期発見が肝心です。
【正しいお世話】トイレはできるだけこまめに掃除をしよう
トイレ砂を多く入れているからと、掃除の回数を減らすことは危険です。排泄物の異変に気づきやすくするためにも、こまめにトイレ掃除をして清潔な状態を保ちましょう。また、できればトイレ砂は1週間に1回程度のペースで、総取り替えをするようにしてください。
【間違ったお世話】ウンチをした後は必ずお尻を拭く
お尻を拭こうと追いかけたり、無理やり抱っこしたりすると、関係性が悪化するばかりか、そのストレスから便秘気味になることもあります。便秘は食欲低下や体重減少などにもつながるので注意しましょう。
【正しいお世話】汚れがひどいときだけ拭き取ろう
猫は自分で汚れをなめとって清潔にできる動物ですが、下痢などで汚れがこびりついてしまった場合は、ぬるま湯で軽く絞った布でやさしく拭くようにしましょう。長毛猫など、お尻に汚れがつきやすい場合は、プロに頼んで毛をカットしてもらうのもよい方法です。
正しいお世話で愛猫の健康をサポートしよう!
このように、愛猫のためにとしていることでも、かえって愛猫の健康を損ねたり、飼い主さんとの関係に悪影響を及ぼしたりしてしまうことがあります。
ご紹介した間違ったお世話のなかに、ご自身の行動で当てはまるものがあった場合は、今日からでもよいので、正しいお世話を取り入れてみてくださいね。
参考/「ねこのきもち」2020年10月号『リスクを知れば、「正しい」が見えてくる。猫の長生きを想って本当にすべきお世話のこと』(監修:モノカどうぶつ病院院長 小林清佳先生)
文/ハセベサチコ
※記事と写真に関連性はありませんので予めご了承ください。