猫と暮らす
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ストレスや病気が原因のことも…猫の「異食症」の症状を獣医師が解説
猫の異食症とは?
「異食症とは、本来の食べ物ではなく栄養価もないものを、自ら進んで口にして食べてしまう症状のことを指します。『異嗜(いし)』と言われる場合もあります。
猫の場合は、特に羊毛製品や布製品に対して積極的にかじったり、しゃぶったりしながら食べてしまう『ウールサッキング』と言われる行動が見られることもありますが、こちらも異食症の一種と言えるでしょう」
「症状としては、明らかに食べ物ではないものを好んでかじったりしゃぶったりするだけにとどまらず、そのまま飲み込んでしまう行動が見られます」
猫の異食症の原因は?
「異食症の原因は、特定することが難しい場合が多いです。たとえば…
- 離乳前の仔猫の時期に、親猫と早くに離れてしまった経験
- 成長期にお腹の状態や寄生虫感染などで、栄養状態が良くない状況が関わる可能性
- 病気やストレスの影響
- 内臓の不調に伴う代謝異常がある際などに起こる可能性
異食症になりやすい猫の傾向
「離乳前に親からはぐれてしまったなど、幼少期に口寂しい経験をした場合などに、毛布やタオルなど身近なものを吸ったりしゃぶったりするクセが身に付くことがありますが、さらにそこから、しゃぶっているものを食べてしまうようになる場合があります。
また、口を使って遊んだり、発散したりすること(何かを繰り返しかじる、くわえるなど)が元々好きな猫だと、くわえたものをそのままかじって飲み込んでしまうようになる場合もあります」
猫が異食症の場合の対処法は?
「実際に異食をするものは、個々の猫によって好みが分かれる場合も多いです。柔らかな布製品を好む猫もいれば、シャカシャカとしたビニールの質感を好む猫もいますし、段ボールなどやや硬い紙製品を好む猫も時折います。
まず、愛猫が好んでかじりたがるものがわかっている場合には、誤食事故の防止の点からも、それらを生活環境に出したままにすることは極力避けましょう。
また、異食症の症状が見られる原因として、健康状態が影響している場合もあります。日々の食事のバランスがとれているか、体調不良などがないか、気にかけてあげましょう。
動物病院に受診をし、異食症の症状や体調について相談をするのもよいと思います」
「そうですね。異食症のきっかけとして、ストレスや退屈しのぎから身の回りのものをかじったりする行動がまず始まり、徐々に行動がエスカレートして異食症に至る場合もあります。
そういった点からは、居心地の良い環境づくりや、こまめに遊んだりスキンシップの時間を持つなど、発散の時間を意識して作ることもとても大事です」
※記事と写真に関連性はありませんので予めご了承ください。
取材・文/sorami
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