猫は本来、目が合うとすぐさまそらす動物。しかし、イマドキの飼い猫たちは、おねだりするような目で、飼い主さんを見つめることがしばしばあるようです。今回は、飼い主さんを見つめるイマドキの飼い猫にスポットを当てて解説します。
猫にとって目を合わせることは、敵意を表す行為だった
猫にとっては目を合わせるということは、本来「敵意」を表す行為でした。そのため、ほかの猫と目が合ったとしても、猫はすぐに目をそらします。親猫やきょうだい猫など、親しい存在に愛情を伝えるときでさえ、猫は細目で見つめるにとどまっていたのです。
しかし、そんな猫たちの行動は、飼い主さんにお世話されて暮らすうちに変化していきました。イマドキの飼い猫たちは、飼い主さんが見つめると、じっと見つめ返してくるのです。しかも、目をしっかりと開いた状態で。どうして飼い猫たちは、目を見つめ返すようになったのでしょうか?
イマドキの飼い猫が、飼い主さんの目を見つめる理由
それは、飼い主さんが「願い」を叶えてくれることを、知っているから。食事を用意してもらえたり、なでてもらえたり、呼びかけてもらえたりすることがうれしくて、猫たちは飼い主さんを繰り返し見つめているのです。
そんな飼い主さんに「願い」を叶えてもらうことを期待するようになった猫たちは、可愛いまなざしで見つめ、いろいろなことをおねだりするようになりました。ねこのきもち投稿写真ギャラリーには、おねだりする猫たちの眼差しがアップされています。
ねこのきもち投稿写真ギャラリーに投稿された見つめる猫たち
遊んでちょうだい
アメリカンショートヘアのコロンくんは、キラキラとした瞳で「遊んでちょうだい」とおねだり中。こんな瞳で見つめられると、つい遊んであげたくなっちゃいます。
抱っこしてほしいな
飼い主さんを見上げながら「お願い、抱っこして」とおねだりしているのは、モモくん。目をそらすどころか、力強い目でみつめています。
ごはんちょうだい
飼い主さんのお仕事中に、ごはんをおねだりしているのはポポちゃん。「ごはんは、まだ?」といわんばかりに、じーっと飼い主さんを見つめています。
おやつちょうだい
目を大きく見開いて見つめているのは、マンチカンのいくらちゃん。飼い主さんに目でおねだりしているようです。
トイレに砂を入れてちょうだい
「早くトイレに砂を入れてください」とおねだりしているのは、白くん。飼い主さんをじーっとみつめて、お願いしています。
イマドキの飼い猫たちは、叶えてほしい願いがあるときに、目で訴えてくることがわかりました。きっと飼い主さんに守られて暮らすうちに安心感を覚え、敵意を表す必要がなくなったのでしょう。
そんな従来の猫とかけ離れた無防備な振る舞いが見られるのも、猫と暮らす楽しみのひとつといえるのではないでしょうか。
参考/「ねこのきもち」2018年5月号『「本来の猫」とのギャップがすごい!イマドキ飼い猫の真実』(監修:哺乳動物学者 川崎市環境影響評価審議会委員 「ねこの博物館」館長 日本動物科学研究所所長 今泉忠明先生)
文/こさきはな
※写真はスマホアプリ「いぬ・ねこのきもち」で投稿されたものです。
※記事と一部写真に関連性はありませんので予めご了承ください。