食事や毛づくろいのときなどにチョロッと見える猫のかわいい舌。実は、猫の舌にはとても重要な役割があり、猫は「舌がないと生きていけない」とさえいわれているのです!
そこで今回は、猫の舌がもつ3つの重要な役割について解説します。
猫の舌の役割(1)食事をする
子猫は舌を使って母猫のお乳を吸い、成猫になると舌を使って食べ物や水を口内に運びます。また、猫は食べ物を丸飲みする動物なので、飲み込むときの補助のためにも、舌の筋肉はとても発達しているのです。
ちなみに、猫は舌先を下後ろ側に反らして水を飲みますが、これは舌の裏側にある「オトガイ舌筋」が発達しているからこそできるもの。猫は舌がなければ食べることも飲むこともできず、死んでしまうでしょう。
腐敗や毒を察知することもできる
猫の舌は甘さをほぼ感じないといわれていますが、肉食動物にとって大切な酸味と苦味を感じる部分が広めなので、肉の腐敗や毒を飲み込む前に察知できると考えられています。猫は舌を使って、自分の身を守っているともいえますね。
猫の舌の役割(2)身だしなみを整える
猫は毛づくろいをするときに、舌にある「糸状乳頭(しじょうにゅうとう)」というトゲを活用し、被毛についた汚れや抜け毛をしっかり取り除いています。さらに、唾液の殺菌効果によって、臭わないキレイな体を保つことができているのです。
もし猫に舌がなければ、毛づくろいでニオイを消すことができなくなります。これはニオイで自分の居場所を明かしているようなもの。野生時代なら敵に頻繁に襲われてしまう可能性が高く、猫はすでに絶滅していたかもしれません。
猫の舌の役割(3)気持ちを伝える
猫は子猫や同居猫、ときには飼い主さんなど、親しい相手を“ニオイの交換”の意味でなめることがあります。また、鳴いたりのどをゴロゴロ鳴らしたりするときなど、音で気持ちを伝えるときも、その音を出すために舌を使っているのです。
例えば、猫の発情はメスの鳴き声で始まりますが、舌がなければ鳴けないので、繁殖の機会が得られなくなります。もし仮に繁殖できたとしても、子猫は鳴いて母猫に「守って」「助けて」と伝えられないので、生き残るのが難しくなるでしょう。
猫はほかの動物以上に舌を使って暮らしているといわれ、その頻度や重要性は、人でいう手と同じくらいといっても過言ではありません。そんなとても重要なパーツだからこそ、愛猫の舌の状態をこまめにチェックし、しっかりと健康管理してあげたいですね。
参考/「ねこのきもち」2018年7月号『健康をつかさどる最重要パーツ!?今すぐ猫舌チェックしてみよう』(監修:哺乳類学者 「ねこの博物館」館長 日本動物科学研究所所長 今泉忠明先生)
文/ハセベサチコ
※写真はスマホアプリ「いぬ・ねこのきもち」で投稿されたものです。
※記事と写真に関連性はありませんので予めご了承ください。