猫がよくするしぐさの中には、いい気分なのかそれとも悪い気分なのかがわかりにくかったり、一見いい気分に見えてじつはそうでなかったりと、不思議なものがあります。その真意がわかれば猫との関係はもっとよいものになるはず!
そこで、そんなちょっと不思議な6つしぐさが本当は「GOOD」な気持ちなのか「NOT」な気持ちなのか、はたまた「GOODでもNOTでもない」気持ちなのか、帝京科学大学で人と動物の関係などを研究している小野寺 温(のどか)先生にジャッジしてもらいました。
1、飼い主さんにゴッチン、 ゴッチンと頭突きをする
「GOOD」な気持ち
「猫同士でも、仲よしの相手と額をぶつけ合うことでフェロモンをこすり付け合うので、飼い主さんに対しても同じことをしているのでしょう」
2、自分で誰もいない部屋に行って、呼ぶように鳴く
どちらかというと「NOT」な気持ち
「理由はさまざまだと思いますが、何か不安やフラストレーション、気になることがあってそうしているのだと思います。気分が落ち着くまでそっとしておいて」
3、帰宅した飼い主さんの足元にスリスリする
「GOOD」とも「NOT」ともいえない
「これは微妙。飼い主さんに知らない外のニオイが付いている状態が嫌なので、一生懸命自分のニオイをこすり付けて、ニオイの上塗りをしようとしています。塗り終わって満足すると、"GOOD"と言えますね」
4、トイレの後、ハイテンションで走り回る
「GOOD」とも「NOT」ともいえない
「これは本能的なものなので、"GOOD"とも"NOT"とも言えません。排泄物はニオイが強いので、外敵に所在を知られないよう早くその場を離れるため、興奮気味になると言われています。またニオイをかき消すという狙いもあるでしょう」
5、飼い主さんが触ったところを、しつこくなめる
「NOT」な気持ち
「猫は自分のニオイに包まれていることで安心します。しつこくなめるのは、"ほかのニオイが付いて嫌だ"と感じ、ニオイを上塗りしていると考えられます」
6、飼い主さんの足のニオイをかいで、「くさーい!」という表情をする
「NOT」ではない
「これは"NOT"ではありません。フレーメン反応といって、ニオイの情報を鼻の奥にある器官に送って分析している表情。"気になるから、もっと知りたい"という気持ちです」
意外だったものはありましたか? 猫を飼っているとよく見かけるものばかりだったと思います。ぜひ、これらのしぐさをしているときに、猫がどういう気持ちでいるかを思い出してみて。飼い主さんがその気持ちに合わせて行動してあげることで、猫との関係はもっとよいものになりそうです。
参考/「ねこのきもち」2021年8月号『しぐさでわかる! 猫のGOOD or NOT』(監修:帝京科学大学 小野寺 温先生)
文/ハナマサ
写真/iStock、Getty Images Plus
※この記事で使用しているイラストは2021年8月号『しぐさでわかる! 猫のGOOD or NOT』に掲載しているものです。