猫と人とでは体のつくりが大きく異なるため、人にとって安全な野菜だからといって、猫にとっても安全とは限りません。なかには、猫が食べると体調を崩してしまうおそれがある野菜や、ひどい中毒を起こす危険性がある野菜もあるのです。
そこで今回は、猫に絶対に与えてはいけない野菜と、与える場合は気を付けたほうがいい野菜をピックアップしてご紹介します。
猫に絶対食べさせてはいけない野菜
ねぎ類
長ねぎ・玉ねぎ・にらなどのねぎ類には、猫の赤血球を破壊する成分が含まれています。猫がねぎ類を食べると、貧血や血尿など、さまざまな健康被害を引き起こすため大変危険です。
この成分は加熱してもなくなりませんので、絶対に与えないようにしましょう。
春菊
春菊やほうれん草などに含まれているシュウ酸は、摂取しすぎると尿石症になるおそれがある成分なので、リスクを考えると与えないほうが無難。また、尿石症を含め泌尿器系の病気にかかったことがある猫には、絶対に与えないようにしてください。
食べさせるなら注意が必要な野菜
なす
なすに含まれているアクが、アレルギー反応を起こすことがあります。与える際は、水にさらしてアク抜きをした後にしっかりと茹でて、細かく刻みましょう。上限は小さじ1杯程度です。
いんげん
食べすぎると腸内で過剰に発酵し、おなかを壊してしまうおそれがあります。そのため、もともと胃腸の弱い猫に与えるのはやめましょう。与える場合は、茹でたものを5mm程度に細かく刻み、小さじ1杯が上限です。
じゃがいも
じゃがいもの芽や、皮が緑色になっている部分には、ソラニンと呼ばれる毒性の強い成分が含まれています。猫が食べると下痢をしてしまうことがあるため、与える場合は芽も皮もしっかりと取り除いたうえで十分に加熱し、完全に冷ましてください。上限は、ひと口程度です。
水菜
生でも食べられる野菜ですが、水菜に含まれているカルシウムが尿石症の原因になるため、泌尿器系の病気にかかったことがある猫には与えるのは控えましょう。与える場合は、細かく刻んで小さじ1杯程度が上限です。
※「与える場合は」で記載してある量は、体重4kg前後の猫に与えてもいい、1日分の上限目安です。
猫が野菜を誤食しないように注意
なお、猫の野菜の誤食にも十分注意が必要です。猫の行動範囲には野菜を保管しないようにしたり、スーパーから帰ってきたら食材をすぐしまうようにしたりするなど、野菜類が猫の目に触れないよう配慮してください。
また、「野菜は体によさそうだし……」というイメージだけで判断せず、猫に食べさせてもいい野菜なのか、食べさせてもいいのならどのくらいが適量なのかを、しっかり調べてから与えるようにしましょう。
参考・写真/「ねこのきもち」『まんぞくさんも大満足♡猫に与えてOK?NG?食べ物図鑑』(監修:高円寺アニマルクリニック院長 高崎一哉先生)
文/higarina
※記事と一部写真に関連性はありませんので予めご了承ください。