予期せぬ猫の行動の理由を解説　猫の「気分スイッチ」６つ

「気分屋」というイメージを持たれるほど、気持ちや行動がコロコロ変わる猫。実は猫なりの理論で、スイッチのように気分を切り替えているってご存じでしたか？

今回は、猫の「気分スイッチ」がオンになっているときに見られる行動や、「気分スイッチ」が切り替わるしくみについてご紹介します。

猫には6つの「気分スイッチ」がある！

あらゆる変化に敏感な猫は、音やニオイ、欲求など、ちょっとしたことがきっかけで、気分がめまぐるしく変化します。

なかでも家猫には、警戒心ゼロの「飼い猫気分」、猫らしい「野生猫気分」、冷静で世話焼きな「親猫気分」、甘えたがりな「子猫気分」、性的欲求が高まっている「恋人猫気分」、遊びたがりな「きょうだい猫気分」の6つの気分があり、それらをまるでスイッチを切り替えるかのように、コロコロと変化させていると言われています。

「気分スイッチ」がオンになっているときに見られる行動

「飼い猫気分」のときに見られる行動

飼い猫気分は、寝るときや食べるときに表れやすい気分スイッチで、人の布団の中でイビキをかきながら眠ったり、すり寄ってきてごはんのおねだりをしたりと、野生感ゼロの行動をよくします。

「野生猫気分」のときに見られる行動

野生猫気分のときは、本能や習性に目覚めて攻撃性が高まっているため、勢いよく飛びかかったり、なでていた飼い主さんの手に噛みついたりといった行動が見られます。また、人には聞こえない音や気配に対する警戒心から、タワーなどの安全な場所に避難したり、おもちゃを隠したりするなどのしぐさが見られることも。

「親猫気分」のときに見られる行動

親猫気分のときは、文字通り子育て中の母猫のような気分になっているため、飼い主さんやほかの猫に毛づくろいをしたり、おもちゃを使って狩りの指導をしたりと、子猫同様のお世話をやくことが多いです。

「子猫気分」のときに見られる行動

子猫気分のときは甘えたい気分が強くなっているため、飼い主さんだけでなく、ほかの猫やものに対しても、おっぱいを吸ったり、ついてまわったりといった、子猫が母猫に甘えるような行動を見せます。

「恋人猫気分」のときに見られる行動

恋人猫気分のときは性的欲求が強まっていることが多いので、体をクネクネしたり、手を甘噛みしたりといった、飼い主さんの関心を引こうとするような行動を見せます。

「きょうだい猫気分」のときに見られる行動

きょうだい猫気分のときは、飼い主さんやほかの猫と仲良く遊びたいという気持ちが強くなっているので、ほかの猫と追いかけっこしたり、飼い主さんにちょっかいをかけたりなどの行動がよく見られます。

猫の「気分スイッチ」はどのように切り替わるの？

相反する気分に変化することが多い

猫の気分スイッチは、「飼い猫」から「野生猫」、「親猫」から「子猫」というように、相反する気分に切り替わりやすいといわれています。見られる行動もそれぞれの気分のときで異なるため、行動や表情が豹変したといわれることも多いようです。

とはいえ、気分スイッチの切り替わり方はこうと決まっているわけではなく、「野生猫」から「きょうだい猫」、「恋人猫」から「親猫」というような複雑な切り替わり方をすることもあります。

1～2秒ほどで気分が切り替わる

狩りの成功率が1割以下だったとされる野性時代の猫にとって、狩りの失敗から気分をすぐに切り替えることは、生き抜くために必要不可欠でした。

そのため、家猫になった現在でも、わずか1～2秒ほどで気分スイッチを切り替え、気分を変えることでストレスを溜めないようにしているのだとか。

人には予期せぬ行動変化に見えますが、実は猫なりの理由やパターンがちゃんとあります。猫の気分スイッチのしくみをしっかり理解して、愛猫の気持ちに向き合ってあげましょう！

参考／「ねこのきもち」2017年2月号『急に行動が変わるのはどうして？愛猫の気分スイッチみーつけた！』（監修：哺乳動物学者「ねこの博物館」館長日本動物科学研究所所長今泉忠明先生）
文／pigeon
※写真はスマホアプリ「いぬ・ねこのきもち」で投稿されたものです。
※記事と写真に関連性はありませんので予めご了承ください。