病気やストレスの一因になることもあるほど、猫にとって重要なトイレの置き場所。愛猫の健康のためにも、少しでも快適なトイレ環境を用意してあげましょう。
そこで今回は、猫トイレの置き場所や置き方について、OK例とNG例をあわせてご紹介します。
猫トイレの適切な置き方とは
複数飼いすることも視野に入れて多めに置く
猫はいつも同じ場所にあるトイレで排泄することを好みますが、新たに迎え入れた猫がそのトイレを使ったなどの理由で、トイレを使わなくなる場合もあります。複数飼いになることも視野に入れ、猫トイレは多めに用意しておくとよいでしょう。
ただし、あまりにトイレの数が多いと猫が困惑してしまい、所かまわず排泄するようになるおそれもあるので、「猫がよくいる場所に1個ずつ」を数の目安にしてみてください。
シニアになってからも行きやすい場所に置く
猫は何才になっても同じ場所で排泄する傾向があるため、年をとってからでも使いやすい場所にトイレを置くことが大切です。例えば、段差がない場所や滑りにくいところは、足腰が弱まるシニア猫でも行きやすいのでおすすめです。
置き場所を変えたい場合は新たにトイレの追加を!
猫トイレの置き場所は変えないのが基本ですが、適切な場所に置けていないなどの理由から、移動させる必要がでてくるかもしれません。とはいえ、その場合でも今あるトイレの置き場所はできるだけ変えず、新たにトイレを追加するようにしましょう。
どうしても置き場所を変えたい場合は、いきなり移動させるのではなく、1日10cmずつなど、少しずつ移動させる方法をとりましょう。
猫トイレを置くのに向いている場所
猫トイレの置き場所としては、以下の3つの場所が向いているとされています。
人の目が届きやすい「リビング」
猫トイレの置き場所として最もおすすめなのが、人がメインで集まる場所で、猫も行きやすいリビングです。人の目が届きやすいので猫の排泄チェックがしやすく、適切なトイレ環境を保ちやすいというメリットもあります。
トイレ砂も飛び散りにくい「ケージの中」
ケージの中は飼い主さんの視界に入りやすく、猫がトイレを使ったあとも部屋に猫砂が飛び散りにくいので、衛生面や掃除のしやすさからも都合がいい置き場所です。
ただし、ケージの種類によっては、食器との距離が近くなってしまうことも。食器とトイレをケージ内に置く場合はできるだけ距離を離し、掃除や消臭もしっかり行ってあげましょう。
掃除や換気がしやすい「人のトイレ」や「洗面所」
人のトイレや洗面所は使う頻度が高いので、猫のトイレを定期的にチェックしやすい場所です。また、換気扇があって排泄臭がこもりにくい、トイレ砂を流せるので掃除がしやすいといったメリットもあります。
猫トイレを置くのに向かない場所とは
一方、以下の3つの場所は、猫トイレの置き場所には向いていないとされています。
冬は寒さが厳しくなる「玄関」や「廊下」
人や猫の通り道になっている玄関や廊下は、様子をすぐ見に行けるうえ、風通しもいいので、トイレの置き場所に選ぶ飼い主さんは多いかもしれません。
しかし、風通しがいいぶん冬は特に寒さが厳しく、猫がトイレに行くのをためらって泌尿器系の病気を引き起こしてしまうおそれがあります。
また、夏には排泄臭が家全体に拡散してしまうことも考えられるため、トイレの置き場所としてはあまりおすすめできません。
細菌の繁殖やストレスのおそれがある「窓辺」
「日光消毒ができそう」「排泄するのに気持ちよさそう」という理由から、日当たりのいい窓辺にトイレを置いている飼い主さんも少なくないでしょう。
しかし実は、窓から差し込む日光に消毒の効果は期待できず、逆に細菌が繁殖してしまう危険性もあるのだとか。
また、ノラ猫など外部からの刺激でストレスを受けるおそれもあるので、トイレの置き場所にはあまり向いていないとされています。
衛生面が気になる「キッチン」
キッチンは換気扇で排泄臭がこもりにくく、来客が入ってくるおそれもないため、猫が落ち着いて排泄できる場所に見えるかもしれません。
しかし、人が料理や食事をするスペースでもあるため、常にトイレを清潔に保っていたとしても、衛生面から考えると置き場所には適していないといえます。
猫のトイレの置き場所は、猫が排泄をしやすいかだけではなく、飼い主さんが観察や掃除をしやすいかどうかも大切です。猫を新たに迎えようとしている人や、猫トイレを新たに追加しようと思っている人は、ぜひ参考にしてみてくださいね。
参考/「ねこのきもち」2018年7月号『よかれと思って置いているけれど… みんなのおトイレMAP これでOK?』(監修:モノカどうぶつ病院院長 小林清佳先生)
文/pigeon
※写真はスマホアプリ「いぬ・ねこのきもち」で投稿されたものです。
※記事と写真に関連性はありませんので予めご了承ください。