猫は、飼い主さんが発する言葉やそれにまつわる行動などから、飼い主さんの気持ちをある程度汲み取れると考えられています。かわいい愛猫に愛を伝えようと模索している飼い主さんも多いかと思いますが、よかれと思ってやっている愛情表現の中には、猫としては少し迷惑に感じてしまうものも……。
ありがちなスキンシップについて、猫にとってはOKか否か、獣医師の菊池亜都子先生に判定してもらいました。
食事中にしつこく体をなでるのは“×”!
食事や排泄、外を眺めているときなど、猫が何かに集中している体に触れられるのは、迷惑に感じているかもしれません。安心してゆっくり食べさせてあげられるよう、食事中にしつこくなで続けたりしないよう気をつけましょう。
ギュッと抱きしめるのは“×”!
猫はもともと、体を拘束されるのが苦手な生き物。自分から飼い主さんの上にのるのはいいのですが、強く抱きしめられると「逃げられない ! 怖い!」と感じるコもいます。嫌われてしまう原因になりかねないので、やめたほうがいいでしょう。
肉球をモミモミするのは“△”!
これはときと場合によります。リラックスしていて甘えん坊モードのときに肉球をモミモミされると、気持ちよくてされるがままになる猫もいます。しかし、猫の前足は敏感な部位なので、かまわれたくない気分のときに握ると嫌がってしまうかもしれません。
目をジッと見つめるのは“×”!
猫同士の場合、目をジッと見つめるのは“敵意あり”の意味。ですから、たとえ大好きな飼い主さんからであっても、目を凝視されると緊張してしまう猫もいます。人のほうから猫の目を見つめるのは控えたほうがいいでしょう。
睡眠時、頭上からブランケットをかけるのは“△”!
ビビリな性格の猫の場合、寝ている間にブランケットなどをかけられると、目覚めたときに視界が遮られ、恐怖心を抱いてしまうケースがあります。ブランケットからすぐ抜け出すような猫にはやらないでください。
やさしく頬ずりをするのは“〇”!
猫のほうから顔にすり寄ってきたのであれば、飼い主さんが軽くスリスリしてあげるのはOKです。ただし、猫はヒゲが敏感なため、強くこすらないようにするのがコツです。
へそ天で寝ているときに顔を埋めるのは“×”!
猫がお腹を出して寝ているときは、非常に無防備な状態です。そのようなときにいきなり顔を埋められると、猫はビックリしてしまいます。かわいい寝姿につい触れてしまいたくなりますが、快適な睡眠を邪魔しないよう、飼い主さんはぐっとこらえて見守りましょう。
ついついやってしまっていたNGな愛情表現はなかったでしょうか?
愛猫と飼い主さんの良好な関係を保てるよう、適度な距離感で、愛猫の気持ちを考えながら愛を伝えていきましょう。
お話を伺った先生/菊池亜都子先生(獣医師)
参考/「ねこのきもち」2020年12月号『毎日の愛情表現、ちゃんと猫に伝わってます! 飼い主さんのラブ♡ルーティン』
文/緒方るりこ
※写真はスマホアプリ「いぬ・ねこのきもち」で投稿されたものです。
※記事と写真に関連性はありませんので予めご了承ください。