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猫に多い心臓の病気「肥大型心筋症」の疑問にお答えします|獣医師解説
今回は「肥大型心筋症」の予防法や気を付けるべきことは?といった疑問を取り上げます。
重本 仁先生王子ペットクリニック院長(東京都北区)
心臓の筋肉に異常があり、心臓の機能が低下する病気
肥大型心筋症は初期症状がわかりにくいのが特徴で、前兆なく突然倒れるケースもあります。そのため初期に発見するには、定期的に検査を受けるしかありません。とくに心臓超音波検査が重要で、近年では精度の向上により、早期の心筋症でも正確に診断できるよなりました。
肥大型心筋症を完治させる治療法はなく、ひとたび発症すると一生の付き合いになります。治療は、投薬で病気の進行を遅らせ、症状を緩和させることが中心です。
おもな症状
◦運動するのを嫌がる
飼い主さんからの疑問「そこが知りたい」①
大阪府 K・Nさん
もちづきちゃん(メス・10才)
※肥大型心筋症と診断されたのは8カ月齢当時。
太らないように食事管理をし、 毎日心拍数を測ると安心
肥大型心筋症を発症する原因は不明で、この病気用の療法食やサプリメントなどはありません。ただ、肥満になると心臓に負担がかかるため、カロリーを制限して体重管理をしっかり行うことは大切です。また、心拍数は自宅でも測ることができるので、異変にいち早く気付くためにも、毎日の習慣にしましょう。あとは、定期的に動物病院で心臓超音波検査などを受け、病気の進行具合を確認することが重要です。
飼い主さんからの疑問「そこが知りたい」②
神奈川県 M・Tさん
コトラくん(オス・16才/メインクーン)
※肥大型心筋症と診断されたのは12才当時。
呼吸に関連した 症状が多いですが、後ろ足が麻痺するケースも
病気が進行すると、呼吸回数が増加する、ハァハァと開口呼吸する、咳をする、などの症状が見られることがあります。また、「動どう脈みゃく血けっ栓せん塞そく栓せん症しょう」といって、左心房にできた血栓が動脈を介して全身に流れ、血管を塞ぐことも。実際に血栓が詰まった部位によって症状はさまざまです。とくに左右どちらかの後ろ足の麻痺が比較的多く見られやすいですが、中には異変が見られないまま突然命を失うケースもあります。
参考/「ねこのきもち」2021年10月号『ねこに多い病気、そこが知りたい!』
文/はなまさ
イラスト/はなさきロージー
※この記事で使用している画像は2021年10月号『ねこに多い病気、そこが知りたい!』に掲載されているものです。
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