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猫に多い心臓の病気「肥大型心筋症」の疑問にお答えします|獣医師解説

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猫がかかりやすい病気の事は、飼い主さんならよく知っておきたいもの。この記事ではそんな病気の解説のほか、実際に体験した飼い主さんの「気になりながら聞けずにいた疑問」について重本先生が回答! 

今回は「肥大型心筋症」の予防法や気を付けるべきことは?といった疑問を取り上げます。

お話をお伺いした先生

重本 仁先生
王子ペットクリニック院長(東京都北区)

心臓の筋肉に異常があり、心臓の機能が低下する病気

心臓は、大部分が「心筋」という筋肉でできています。この心筋に異常があり、心臓のポンプ機能が低下することで、血液の循環が悪くなる病気が「心筋症」です。大きく分けて、肥大型・拘束型・拡張型がありますが、猫にとくに多いのが肥大型心筋症になります。
肥大型心筋症は初期症状がわかりにくいのが特徴で、前兆なく突然倒れるケースもあります。そのため初期に発見するには、定期的に検査を受けるしかありません。とくに心臓超音波検査が重要で、近年では精度の向上により、早期の心筋症でも正確に診断できるよなりました。
肥大型心筋症を完治させる治療法はなく、ひとたび発症すると一生の付き合いになります。治療は、投薬で病気の進行を遅らせ、症状を緩和させることが中心です。

イラスト/はなさきロージー

おもな症状

◦すぐに疲れてしまう
◦運動するのを嫌がる

飼い主さんからの疑問「そこが知りたい」① 

避妊手術前の健康診断の際、肥大型心筋症が見つかりました。血管拡張薬の投与をしていた時期もありますが、今は状態が安定しているので獣医さんの判断で様子を見ています。ただ、シニアになり血栓が心配…。フードやサプリなど自宅で予防できることはありますか?

大阪府 K・Nさん
もちづきちゃん(メス・10才)

※肥大型心筋症と診断されたのは8カ月齢当時。

太らないように食事管理をし、 毎日心拍数を測ると安心

もちづきちゃんが投与していた血管拡張薬は、高血圧のときに使用することが多い薬です。また、血栓(血の塊)の予防には抗血栓薬を使うなど、投薬で症状を和らていきます。
肥大型心筋症を発症する原因は不明で、この病気用の療法食やサプリメントなどはありません。ただ、肥満になると心臓に負担がかかるため、カロリーを制限して体重管理をしっかり行うことは大切です。また、心拍数は自宅でも測ることができるので、異変にいち早く気付くためにも、毎日の習慣にしましょう。あとは、定期的に動物病院で心臓超音波検査などを受け、病気の進行具合を確認することが重要です。

飼い主さんからの疑問「そこが知りたい」②

イラストはなさきロージー
心拍数は、猫の左右の脇の下に両手を入れて、トクトクという鼓動を数えます。正常な猫の心拍数は、安静時で1分間につき130~160拍(心拍数は10秒間の鼓動を数えて6倍にすると求めやすい)。ふだんの心拍数よりあきらかに多いときは獣医師に相談を

メインクーンは心臓の病気が多いと聞き、定期的に心臓の検査を受けていたところ、12才で肥大型心筋症と判明。2年前から、ときおり息苦しそうな姿を目にしますが、病気が進行するとどんな症状が出るのでしょうか?

神奈川県 M・Tさん
コトラくん(オス・16才/メインクーン)

※肥大型心筋症と診断されたのは12才当時。

呼吸に関連した 症状が多いですが、後ろ足が麻痺するケースも

遺伝的に病気を発症する猫が多く、メインクーン、アメリカンショートヘアー、ペルシャなど、特定の猫種が肥大型心筋症を発症しやすいといわれています。初期には、目立った症状が見られない猫が多いため、コトラくんのように健康診断で判明するケースは少なくないでしょう。
病気が進行すると、呼吸回数が増加する、ハァハァと開口呼吸する、咳をする、などの症状が見られることがあります。また、「動どう脈みゃく血けっ栓せん塞そく栓せん症しょう」といって、左心房にできた血栓が動脈を介して全身に流れ、血管を塞ぐことも。実際に血栓が詰まった部位によって症状はさまざまです。とくに左右どちらかの後ろ足の麻痺が比較的多く見られやすいですが、中には異変が見られないまま突然命を失うケースもあります。

イラスト/はなさきロージー
肥大型心筋症による突然死の原因の多くは、「動脈血栓塞栓症」という合併症を起こすこと。多くは片方の後ろ足が麻痺するため、後ろ足を引きずって歩くなどの異変が見られます。このようなときは緊急受診が必要

先生、ご回答いただきありがとうございました。ご紹介した飼い主さんのエピソードは、あなたの愛猫に起こる可能性もあります。いざというときに思い出し、役立ててくださいね。

お話を伺った先生/重本 仁先生(王子ペットクリニック院長)
参考/「ねこのきもち」2021年10月号『ねこに多い病気、そこが知りたい!』
文/はなまさ
イラスト/はなさきロージー
※この記事で使用している画像は2021年10月号『ねこに多い病気、そこが知りたい!』に掲載されているものです。

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