多頭飼いや、野良猫が訪れやすい家の飼い主さんを悩ませる猫同士のケンカ。一見ケンカっぱやく見える猫ですが、じつは無駄に致命傷を負わないよう、ルールに沿ってケンカをしているそうです。猫のケンカの実態を、ねこのきもち獣医師相談室の原駿太朗先生に教えてもらいました。
猫がケンカする原因
1. 縄張りにほかの猫が来たから
ふだんから自分のテリトリーと決めたエリアに、強い尿スプレーや爪をといだ跡などを残し、縄張りを主張する猫。そのエリアにほかの猫が侵入すると、自分の縄張りを守るためにケンカをすることがあります。
巡回する範囲が広い野良猫や、メスと比較して縄張り意識が強いオス猫は、このケンカをする傾向が強いといわれています。
2. メス猫を手に入れるため
発情期を迎えたメス猫に誘発されたオス猫は、ふだんより縄張りを広げて行動します。そのため、縄張りやメス猫がかぶったほかのオス猫とケンカをします。
3. 寝床や食事を得るため
家猫と違い、野良猫は自分でエサや寝る場所を得なければなりません。自分のエサや安全な寝床を守るため、ほかの猫とケンカをすることも多いです。
4. 相性の悪い猫がいるから
相性が悪い猫同士は、時間をかけて慣らしてもケンカが起きる可能性はゼロではありません。基本的に単独行動を好む猫にとって、常にほかの猫の存在を感じてプライバシーを保てない環境はストレスに。そのいらつきから、ケンカに発展するケースも多いようです。
致命傷を負うケンカは避ける
いろいろな原因で衝突が起こる猫ですが、ケンカに発展するのはあくまでも両者がひかない場合です。
猫は、基本的にお互いが接触しないように気を付けているので、仮に遭遇したとしても致命傷を負うようなケンカを避ける傾向があります。ほとんどのケースは、うなり声やにらみ合いの威嚇をして、勝ち目がないと判断したら一目散に逃げの姿勢をとるでしょう。
ケンカのルール
なかには、本格的なケンカに発展してしまうケースがないわけではありません。その場合は無作為に飛びかかるのではなく、以下のようなルールに沿って行われる場合が多いようです。
- にらみ合いから、激しく威嚇しあう
- どちらかの猫が先に攻撃をしかける
- パンチや噛みつきなど、体を使った取っ組み合いをする
- どちらかが反撃しなくなれば終了
勝負が付いたあとは必要以上に闘わない
ケンカが終了して負けた方の猫が逃げた場合に、飼った方の猫がそれ以上追わないのもルールだそうです。そして一度勝負が決まった後は、同じ猫同士でケンカをすることもありません。
猫同士のケンカをみつけたときは?
同居する猫同士が激しいケンカをしていると、つい仲裁したくなりますが、なかにはコミュニケーションの一環として取っ組み合いをしている場合も。無理に止めることで仲がこじれてしまうこともあるので、まずは本気のケンカなのか見極めましょう。
うなり声などの威嚇行為が見られない場合は、ただのじゃれあいである可能性が高いです。
相性が悪い場合は引き離しの検討を!
何度も取っ組み合いをしたり、うなり声や威嚇行為が見られたりする場合は、猫同士の相性が悪くてケンカに発展している可能性が。無理に一緒にいさせるとストレスやケガにつながるので、接触しないよう生活スペースを分けることを検討しましょう。
激しくじゃれあっているとケンカが始まったように見えますが、猫は無駄に相手を攻撃しません。状況を冷静に見極めて、飼い主さんが熱くなり過ぎないように注意しましょう。
(監修:ねこのきもち獣医師相談室・原駿太朗先生)
参考/ねこのきもちWEB MAGAZINE『【獣医師監修】猫が喧嘩する理由は?喧嘩させない方法や止め方も』
取材・文/小崎華
※写真はスマホアプリ「いぬ・ねこのきもち」で投稿されたものです。
※記事と写真に関連性はありませんので予めご了承ください。