突然訪れる子猫との出会い。保護した子猫は何才で、どんなお世話をすればいいのでしょうか? 保護を必要とする子猫に出会って慌てないよう、生まれてからの週齢の見分け方とお世話の方法をねこのきもち獣医師相談室の岡本りさ先生に教えてもらいました。
週齢の見分け方
《出生時~生後4日》
生まれたての子猫の体重は70~110g程度です。出生時はへその緒が濡れていて、2~4日経つとへその緒は乾いてきます。
《生後5~10日》
へその緒が自然ととれ、体重も約200gになります。この時期は視覚も聴覚も機能していないため、嗅覚だけが頼りです。
《生後1~2週間》
前歯の乳歯が生え始め、体重が200~300gまで成長します。目が開きかけ、耳も聞こえるようになり、自分で動けるようになります。
《生後2~3週間》
体重が300~400gまで成長します。この時期に脳が発達するといわれ、動きも活発になってきます。3週齢以降になると犬歯の乳歯が生えてきます。
体温保持のお世話
生後1~2週間くらいまでの子猫は自分で体温調節ができません。本来であれば母猫にくっついて体温を保持する時期のため、室温を24~25℃に保ち、ペット用ヒーターやタオルで包んだ湯たんぽなどを利用して、寝床を母猫の体温に近い30~35℃に調整しましょう。
低温やけどに気をつけて心地よい環境を!
湯たんぽやヒーターは、子猫が直接触れると低温やけどのおそれがあるので、注意が必要です。直接触れる所は必ず母親の体温以上にならないようにしてください。
また、ふかふかの柔らかい素材を寝床に敷いて、体が少し埋もれるくらいにしてあげると、子猫が安心して眠れるでしょう。
人工哺乳のお世話
子猫が鳴いたらミルクの時間です。通常は猫の体温と同じ温かさの子猫用ミルクを哺乳瓶であげますが、弱っている子猫にはスポイトを使いましょう。子猫の上体を少し起こして口を開けたら、数滴ずつ舌に垂らします。自力で飲めるようになったら、吸う力をつけるため哺乳瓶に移行しましょう。
哺乳する分量と回数
《出生時~生後4日》
最初は1ccから始めます。3~5ccのミルクを3時間ごとに、1日6~8回与えます。
《生後5日~2週間》
6~10ccのミルクを1日5~6回与えます。
《生後2~3週間》
10cc以上のミルクを1日4~5回与えます。
生後3週間経ったらフードに移行を!
体重が500g程度になり犬歯が生えたら、フードに移行する時期です。練りミルクから少しずつ固形物を増やし、子猫用のドライフードに切り替えていきましょう。
排便・排尿のお世話
生後3週くらいまでは、母猫がお尻を舐めて排泄を促します。人が代わりに行う場合は、腸が活発になりやすい食後に、ぬるま湯に浸したガーゼなどで肛門付近を軽く刺激してあげましょう。
便秘が続く場合は動物病院へ!
ミルクが飲めていれば、2日程度の便秘は問題ないこともあります。ミルクを飲まない場合や、3日以上便秘が続くような場合は動物病院へ連れて行きましょう。
子猫が自分で食べられるようになるのは、生後1ヶ月半過ぎから。1ヶ月半未満の子猫を保護したら、「体温保持」「哺乳」「排泄」のお世話をしてあげる必要があります。
子猫の状態をよく観察するとともに、成長に合わせてお世話を替えていく順応性が必要になるでしょう。少なくとも生後1ヶ月までは毎回の食事量と毎日の体重、排泄の様子を記録してください。
(監修:ねこのきもち獣医師相談室 獣医師・岡本りさ先生)
参考/ねこのきもちWEB MAGAZINE『【獣医師監修】授乳期の子猫を迎えたら…お世話の方法や必要なグッズを解説』
文/小崎華
※写真はスマホアプリ「いぬ・ねこのきもち」で投稿されたものです。
※記事と写真に関連性はありませんので予めご了承ください。