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【獣医師監修】授乳期の子猫を迎えたら…お世話の方法や必要なグッズを解説

生後1カ月半未満の子猫は、母猫にくっついて温まりながらおっぱいを飲み、お尻をなめてもらって排泄し、それ以外は睡眠をとっています。そんな授乳期の子猫を迎え入れるのは、かなり特殊な状況です。通常は母猫がお世話をする時期ですから、やむを得ず保護するケースが多いかもしれません。ここでは、授乳期の子猫をお世話する方法や、必要なグッズについて解説します。

授乳期の子猫のお世話では「体温保持」「哺乳」「排泄」が重要

生後1カ月未満の乳飲み子猫を迎えた場合は、子猫が1カ月半を過ぎるまで、1日数回、哺乳と排泄を人が手伝ってあげる必要があります。母猫に代わって授乳時の子猫を育てるには、なるべくそばにいて、まめなお世話ができるといいでしょう。元気そうに見えても、早い時期に一度は動物病院で、感染症や健康状態を診察してもらいましょう。

子猫が自分で食べられるようになるのは、1カ月半過ぎからです。生後1カ月半未満の子猫を保護したり、引き取ったりしたら、「体温保持」「哺乳」「排泄」の3つのお世話をすぐにしてあげないといけません。保護した猫が衰弱している場合は、急いで動物病院に相談しましょう。

授乳期の子猫のお世話の仕方

それでは、授乳期の子猫のお世話について、具体的なやり方を解説していきます。

体温の保持

子猫は生後1週間くらいまでは、自分で体温の調節ができません。本来なら、眠っているときでも母猫の体にくっついて体温を保持していますが、人が代わりに育てる場合、この保温が最重要となります。室温は24~25℃にキープし、ペット用ヒーターや、タオルで包んだ湯たんぽなどを利用して、寝床を母猫の体温に近い30~35℃に調整しましょう。

低温やけどの恐れがあるので、湯たんぽやヒーターが、子猫に直接触れないように注意してください。ふかふかした柔らかい素材を寝床に敷き、少し埋もれるくらいにしてあげると、子猫も安心して眠れるようです。

人工哺乳

子猫が鳴いたらミルクの合図です。哺乳するミルクの量は週齢で違うので、量と回数は、下の表を参考にしましょう。通常は猫の体温と同じくらいの温度の子猫用ミルクを、哺乳びんであげますが、弱っている子猫にはスポイトで与えてください。

子猫の上体を少し起こして口を開け、数滴ずつ舌にミルクを垂らします。仰向けにして飲ませたり、無理に流し込んだりすると、ミルクが気管に入って誤えんの恐れもあるので注意しましょう。自力で飲めるようになったら、安全のためと吸う力を付けるために哺乳びんにします。
飲み付きが悪いのは、ミルクの温度が低いせいの場合もあります。その場合は、湯せんをして温めましょう。

週齢・性別によるミルクの量の目安

生後3週間はミルクだけで育つ授乳期です。この期間に子猫の体重は1日5~10g増えます。成長具合によって哺乳するミルクの量が違ってきますから、哺乳を始める前に子猫が生後何週間目(週齢)なのか、上の表を参考に確認してください。見るべきポイントは、へその緒の様子、目の開き具合、乳歯の生え方などです。

離乳食・子猫用フードへの切り替え

ミルクから始めて体重が500g程度になり、犬歯(乳歯)が生えたら、フードに移行する時期です。練りミルクから徐々に固形物を増やし、子猫用ドライフードにします。
ミルクから、離乳食、フードへの切り替えステップについて、詳しくはこちらを見てください。

性別の判別

子猫のオス・メスの見極め方
左の陰部と肛門の間が短いのがメス。右がオス
子猫のオス・メスはとても見分けにくいと言われていますが、3週齢以上経つと判別しやすくなります。
見分けるポイントは、陰部の位置。メスは陰部と肛門の間が短く、オスはその逆に陰部と肛門の間が長いのが特徴です。オスの間隔が長いのは、睾丸が成長につれて出てくるためです。
将来的なケアも違うので、性別は確認しておきましょう。動物病院で見てもらうのもよいでしょう。

排便・排尿の補助

3週齢前後までは、母猫にお尻をなめてもらって排泄します。人が代わりに行う場合は、ぬるま湯に浸したガーゼなどで、肛門近くを軽く刺激。胃に食べ物が入ると腸の働きが活発になり排便しやすいので、食後に行います。
ミルクを飲むなら、2日程度の便秘は問題のない状態でも見られることがありますが、ミルクを飲まなかったり、3日以上便秘が続いたりしたら動物病院へ連れて行きましょう。
ミルクを飲み過ぎて下痢する場合は、1日に与える回数は変えずに1回の量を減らしてください。

排便・排尿の補助の方法

(1)肛門近くを軽くトントンとたたきます。擦ってはいけません。
(2)じんわりオシッコがしみ出してきます。飲むミルクの量が少ないので、1回は数cc程度です。

授乳期の子猫の迎え入れに必要なグッズリスト

授乳期の子猫のお世話に必要なグッズと、その選び方を紹介します。

子猫用ミルク

体重が200gを超えるまでは、日中、2時間おきぐらいに哺乳必ず“子猫用”と表記のものを選んで下さい。よく溶かして与えましょう。犬用、成猫用のミルクもありますが、栄養バランスが違うので必ず子猫用を使いましょう。

段ボール箱

2~3週間の間の仮の寝床として使用します。はい出せない深さと空気穴がある、フタ付きのものを選びましょう。また、排泄物などで汚れたら箱ごと交換してあげてください。上側が開閉するキャリーケースでも代用できます。

ベッドに使える素材

タオルやフリースなど柔らかく吸水性のある、洗える素材のものを選びましょう。寄りかかれる小さなクッションもよいでしょう。

ペット用ヒーター

熱くなり過ぎない機能が付いたものを選んでください。また、オシッコで濡れても大丈夫で、かじったりしにくいようなペット用のものを選びましょう。子猫が直接触れるように置くと、低温やけどのおそれがあるので、例えばタオルで挟む、寝床にしている段ボール箱の外側に貼り付けるなどして、間接的に使用しましょう。

トイレ容器&砂

猫砂の代わりに、新聞紙を使用してもOKです。猫用トイレも、またぎやすいように縁の低い料理用バットや、食器用水切りカゴで代用してもいいでしょう。中にはトイレ砂や細かく切った新聞紙を入れてください。

フードボウル&水飲みボウル

重さがあって小さめのものを選びましょう。深さ2cm程度の陶器やステンレス製のものがおすすめです。しばらくは、家にある浅い小皿で代用してもいいでしょう。
授乳期の子猫を迎え入れたら、早急に母猫のお世話に近い環境を作ってあげることが重要です。動物病院とも連携しながら、子猫の健やかな成長をサポートしましょう。
監修/長谷川諒先生(きたじま動物病院)
文/ねこのきもちWeb編集室
参考&画像・イラスト出典/「ねこのきもち」本誌、ムックより
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