猫と暮らす
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【獣医師監修】授乳期の子猫を迎えたら…お世話の方法や必要なグッズを解説
生後1カ月半未満の子猫は、母猫にくっついて温まりながらおっぱいを飲み、お尻をなめてもらって排泄し、それ以外は睡眠をとっています。そんな授乳期の子猫を迎え入れるのは、かなり特殊な状況です。通常は母猫がお世話をする時期ですから、やむを得ず保護するケースが多いかもしれません。ここでは、授乳期の子猫をお世話する方法や、必要なグッズについて解説します。
長谷川 諒 先生
株式会社Ani-vet 代表取締役
保護猫施設専門往診病院 下京ねこ診療所 院長
動物病院京都 ねこの病院 所属獣医師
北里大学獣医生化学研究室 研究生
●所属:日本猫医学会/日本獣医腎泌尿器学会
●書籍(監修):『知っておきたい ネコの多頭飼いのすべて 獣医師が教える 幸せに暮らすためのポイント』メイツ出版 /『いちばんよくわかる猫種図鑑 日本と世界の60種』メイツ出版
授乳期の子猫のお世話では「体温保持」「哺乳」「排泄」が重要
子猫が自分で食べられるようになるのは、1カ月半過ぎからです。生後1カ月半未満の子猫を保護したり、引き取ったりしたら、「体温保持」「哺乳」「排泄」の3つのお世話をすぐにしてあげないといけません。保護した猫が衰弱している場合は、急いで動物病院に相談しましょう。
授乳期の子猫のお世話の仕方
体温の保持
低温やけどの恐れがあるので、湯たんぽやヒーターが、子猫に直接触れないように注意してください。ふかふかした柔らかい素材を寝床に敷き、少し埋もれるくらいにしてあげると、子猫も安心して眠れるようです。
人工哺乳
子猫の上体を少し起こして口を開け、数滴ずつ舌にミルクを垂らします。仰向けにして飲ませたり、無理に流し込んだりすると、ミルクが気管に入って誤えんの恐れもあるので注意しましょう。自力で飲めるようになったら、安全のためと吸う力を付けるために哺乳びんにします。
飲み付きが悪いのは、ミルクの温度が低いせいの場合もあります。その場合は、湯せんをして温めましょう。
週齢・性別によるミルクの量の目安
離乳食・子猫用フードへの切り替え
ミルクから、離乳食、フードへの切り替えステップについて、詳しくはこちらを見てください。
性別の判別
見分けるポイントは、陰部の位置。メスは陰部と肛門の間が短く、オスはその逆に陰部と肛門の間が長いのが特徴です。オスの間隔が長いのは、睾丸が成長につれて出てくるためです。
将来的なケアも違うので、性別は確認しておきましょう。動物病院で見てもらうのもよいでしょう。
排便・排尿の補助
ミルクを飲むなら、2日程度の便秘は問題のない状態でも見られることがありますが、ミルクを飲まなかったり、3日以上便秘が続いたりしたら動物病院へ連れて行きましょう。
ミルクを飲み過ぎて下痢する場合は、1日に与える回数は変えずに1回の量を減らしてください。
排便・排尿の補助の方法
授乳期の子猫の迎え入れに必要なグッズリスト
子猫用ミルク
段ボール箱
ベッドに使える素材
ペット用ヒーター
トイレ容器&砂
フードボウル&水飲みボウル
文/ねこのきもちWeb編集室
参考&画像・イラスト出典/「ねこのきもち」本誌、ムックより
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