猫が「クークー」「ピーピー」と音をたてて眠る姿はかわいいですよね。しかし、そのいびきのような音に病気のサインが隠れている可能性も。猫がいびきをかく原因と、病気の可能性があるいびき、いびきをかきやすい猫種をねこのきもち獣医師相談室の原駿太朗先生に教えてもらいました。
猫がいびきをかく原因
いびきの正体は、鼻から入った息が鼻腔や咽頭などの上気道を通るときに発生する振動音です。人のいびきは舌の付け根が咽喉の奥に下がり、周囲の筋肉がゆるんで咽頭が狭くなることによって発生しますが、猫の場合は鼻腔と呼ばれる鼻の内部が弛緩して狭くなることにより発生します。
猫に鼻水などの症状がなく、通常の寝息よりやや大きい程度の音であれば、「ふつうのいびき」と考えられるでしょう。
ふつうのいびきと心配ないびき
警戒心が強い猫は、環境に満足して心を許したときにいびきをかきやすくなります。そのため「ピーピー」「クークー」といった小さくて高い寝息のようないびきをかいて寝ているのであれば、ほとんど心配いりません。
しかし、「ゴーゴー」と低く大きな音でいびきをかき始めたら注意が必要です。猫カゼや副鼻腔炎、アレルギー性鼻炎などにかかっている可能性があるので、動物病院を受診して状態を診てもらいましょう。
いびきをかきやすい猫種
マズルと呼ばれる鼻口部が短くてペチャッと潰れている猫は、ふだんから鼻腔がせまくなりがちです。そのためエキゾチックショートヘアやペルシャ、ヒマラヤン、スコティッシュフォールドなどの猫種は、比較的いびきをかきやすい傾向があります。
そのほかには肥満や運動不足、アレルギー、先天性の障害がある猫もいびきをかくことがあるようです。
ふだんからいびきをかく猫も、苦しそうにしていたら起こして様子をみてあげるといいでしょう。そして日頃から睡眠中の様子や、寝息の音を聞いておくことで、愛猫のちょっとした異変に気付きやすくなります。もし心配な様子が見られたら、迷わず動物病院を受診してください。
(監修:ねこのきもち獣医師相談室 獣医師・原駿太朗先生)
取材・文/小崎華
※写真はスマホアプリ「いぬ・ねこのきもち」で投稿されたものです。
※記事と写真に関連性はありませんので予めご了承ください。