まん丸な顔と折れ耳が愛らしいと長年人気のスコティッシュフォールド。スコットランドの農場で生まれた真っ白なメスの猫がルーツといわれています。健康的な骨格で、動きもしなやか。短毛と長毛があり、毛色もさまざま。そんなスコティッシュフォールドの性格の特徴、飼い方、歴史、かかりやすい病気などについてご紹介します。
スコティッシュフォールドの性格は、穏やかで甘えん坊
最近、とくに人気が高い猫種のスコティッシュフォールド。「丸くて可愛い」外見同様、性格もよさそうですね。
おおむね穏やか
スコティッシュフォールドは、まん丸な見た目の通り、とても穏やかで大人しい傾向があり、あまり活発なほうではありません。
協調性や順応性が高い
スコティッシュフォールドは、赤ちゃんやほかの猫、ほかの動物とも良好な関係を築くことができ、協調性や順応性が高いといわれています。
甘えん坊
スコティッシュフォールドは、飼い主さんに対して、すぐにすり寄ってくる甘えん坊な一面もよく見られます。人なつっこく愛情深い傾向が強いようです。
スコティッシュフォールドを飼うときに気をつけたい3つのこと
1.ナイーブな面もあるのでストレスには要注意
スコティッシュフォールドは、おとなしい性格ですが、大きな音を嫌うなど、やや神経質な傾向もあるので、掃除機やドライヤーなどを使用する際は、ストレスを与えないよう猫を別の部屋に移動させるなどの工夫をするといいですね。
2.安心して過ごせるスペースを用意して
猫は基本的に夜行性の動物で、日中は寝て過ごすことが多いです。スコティッシュフォールドはおとなしい性格で少しナイーブな面もあるので、とくに安心して眠れるスペースを用意してあげたいものです。また、スコティッシュフォールドは活発なほうではありませんが、事故防止のため、留守番をさせるときは入ってほしくない場所には行けないよう制限し、誤食につながるような細かいものなどは片付けておきましょう。
3.コミュニケーションの意味でもブラッシングを
スコティッシュフォールドは飼い主さんとのコミュニケーションを求める傾向にあるので、ブラッシングもコミュニケーションの一環として行うといいですね。とくに長毛猫の場合は、毛が絡みやすいので1日1回はブラッシングしてあげましょう。
スコティッシュフォールドは骨や耳の病気に注意して
スコティッシュフォールドにのみ起こる遺伝性の病気「骨軟骨異形成症」があります。成長期に四肢が痛むような様子が見られたら、早めに動物病院で相談を。また、折れ耳のスコティッシュフォールドでは、耳の通気性が悪いために発症する病気にも注意が必要です。スコティッシュフォールドがかかりやすい病気は以下の通りです。
・「骨軟骨異形成症」軟骨の障害で四肢や脊椎に発生し、重度になると痛みで歩けなくなることもある遺伝性の病気です。
・「耳ダニ症」耳の中でミミヒゼンダニが繁殖し、激しいかゆみを引き起こします。折れ耳のタイプは耳の中の通気性が悪いので、かかりやすい傾向があります。
・「外耳炎」折れ耳タイプは湿気が耳の中にこもりやすいため、細菌やカビが原因で、外耳道に炎症が起こる外耳炎にかかりやすい傾向があります。
・「尿石症」膀胱や尿道などの尿路内に結石(ストルバイトおよびシュウ酸カルシウム)が形成される病気です。血尿や、何度もトイレに行くがオシッコが出ないなどの症状が現れます。
・「肥大型心筋症」心臓の筋肉が厚くなりすぎて、充分な血液を送り出せなくなる心臓の病気です。
・「多発性嚢胞腎」腎臓にたくさんの嚢胞(のうほう/水がたまった袋)ができ、腎臓の働きが徐々に低下する病気。腎不全の原因になります。
スコティッシュフォールドには立ち耳のタイプも
スコティッシュフォールドの外見上の特徴は耳が有名ですが、そのほかにはどんなチャームポイントがあるのでしょうか?
折れ耳だけでなく立ち耳タイプも
スコティッシュフォールドのいちばんの特徴は、折れ耳。耳の曲がり具合によっては、耳が輪郭に溶け込んでしまうことも。しかし、現在では遺伝性の病気を懸念して異種交配がされることから、立ち耳タイプもいます。また、折れ耳で生まれても、成長すると耳が立つ場合があります。耳以外にも、スコティッシュフォールドの顔はまん丸な目や、ふっくらとした頬や口元がとても愛らしく特徴的です。
長毛猫は、首回りがとくにふさふさに
スコティッシュフォールドの毛は柔らかで厚みがあり、ビロードのような触り心地が特徴です。長毛タイプは、全体がふんわりとゴージャスな印象になり、しっぽと首回りの毛はとくに長くなります。スコティッシュフォールドの毛色は、基本的にすべての色が認められています。アメリカンショートヘアーと交配される場合は、タビー柄(縞模様/渦巻き模様)が出ることがあります。
スコティッシュフォールドのルーツはスコットランドの農場
スコティッシュフォールド(通称「スコ」)は、1961年にスコットランドの農場で見つかったことが起源になっています。スコティッシュフォールドの名前が英語で「スコットランドの折れ曲がり」を意味している通り、耳が折れた子猫が見つかりました。その後、ブリーダーや遺伝学者の協力を得て試験交配を重ねた結果、折れ耳は単独の優性遺伝子によることがわかりました。つまり両親のどちらかは必ず、折れ耳であるということです。 研究が進むにつれ、折れ耳同士の交配は骨格異常が出やすいことが確認され、現在はブリティッシュショートヘアーやアメリカンショートヘアーとの異種交配、もしくは立ち耳のスコティッシュフォールドとの交配が原則とされています。また、初代のメスの猫は長毛の遺伝子を持っていたため、後の世代に長毛種が発見されます。今でも長毛のスコティッシュフォールドは希少な種類です。
まとめ
複数飼いにも向く、飼いやすい猫
スコティッシュフォールドは、人やほかの猫など他者に寛容なところがあるので、複数飼いにも向くようですね。遺伝性の病気に気をつければ、とても飼いやすい猫といえそうです。飼いやすく、猫を初めて飼う人にもおすすめです。
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出典元/『ねこのきもち』WEB MAGAZINE(監修:高野八重子先生)