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猫の健康と長生きのために|知っておきたい食事と栄養の基本事項

「食事」は猫の生命活動において、もっとも大切なことの一つです。よく猫に与えてはNGな食べ物についての話題は見受けられますが、そもそも猫にとって必要な栄養素について考えたことはありますか?今回は猫の栄養学と食事の基本についてご紹介します。

猫に必要な栄養素を知ろう!

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3大栄養素は人と犬と違う

猫に必要な栄養素は、当然ながら人とは異なります。脂肪・タンパク質・炭水化物の3大栄養素を比較すると、人は脂肪25%・タンパク質17%・炭水化物58%であるのに対して、猫は脂肪20%・タンパク質38%・炭水化物42%を必要とします。肉食である猫は、より多くのたんぱく質を必要とするんですね。ちなみに犬は雑食性なので、脂肪15%・タンパク質23%・炭水化物62%を必要とします。

水・ミネラル・ビタミン

3大栄養素以外で猫に必要な栄養素は、水・ミネラル・ビタミンです。ミネラルとは、カルシウムやマグネシウム、鉄といった成分のことを指しており、キャットフードの成分には「灰分」と表示されています。なぜ灰分かというと、ミネラルは体の中に含まれる元素のうちでも、燃やすと気体になる炭素・水素・酸素・窒素を除く元素で、灰となって残るからです。

ミネラルが不足すると、病気になる場合があります。鉄不足による貧血がわかりやすいでしょうか。かといって、ミネラルはそれぞれが影響し合うので、摂取のしすぎもNG。そしてビタミンには、体の調子を整える働きがあります。しかし、取りすぎには注意が必要ですので、サプリメントで補う場合には許容範囲で与えましょう。

年齢にあったフードを選ぼう

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ペットフードを大きく分類すると、「総合栄養食」「間食」「療法食」「その他の目的食(副食や栄養補完食など)」の4つがあります。このうち、主食に適しているのが総合栄養食。総合栄養食とは、水とそのフードだけで健康が維持できるように設計されたフードのことです。

総合栄養食には子猫用や成猫用、〜歳以上などの表記がされていますよね。猫にとって必要な栄養の量は年齢によって異なります。それぞれの時期に合ったフードは以下の通りです。

・成長期→少ない量でも必要な栄養素とエネルギーが摂取できるフード
・成猫期→健康と体重の維持ができるフード
・高齢期→消化が良く、臓器に負担をかけない、体重の維持ができるフード

キャットフードは年齢に合ったものを選ぶようにしましょう。ただし成猫期・高齢期の猫の場合は個体差もあるので、愛猫の状態にあったフードを選んであげてくださいね!

フードの量も肝心

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市販のフードには与える量の目安が書かれていますが、正しい量を把握するには愛猫の状態にあわせた計算が必要です。まず、安静時の必要カロリーを体重から計算します。

「70 ×(体重の0.75乗)= 安静時の必要カロリー(RER)」

この「RER」に、ライフステージごとの数値を掛けたものが1日当たりに必要なカロリー(DER)となります。たとえば、体重が3kgで去勢・避妊済みの成猫の場合は、1.2×RER=191kcalとなります。このカロリーを基準にフードを与えることで、猫の健康や適性体重維持につながります。

1日に何回あげればよい?

必要なフード量を確認したら、1日2~3回に分けて与えましょう。1日1回にすると空腹な時間が長くなり、肥満になりやすくなります。なお、高齢の猫には、内臓への負担を減らすために1日3回以上に分けて与えるようにしてください。

ただし、必要な量を把握していたとしても、目分量で与えてしまってはカロリーオーバーになってしまいます。きちんと測って与えるようにしましょう。毎回測るのが面倒な人は、プラスチックのカップなどにあらかじめ印をつけておくことで、簡単に正しい量を与えることができますよ。一度必要なカロリーを計算した後も定期的に体重を測り、適切なフードの量をチェックしてくださいね。

人の食べ物を与える時の注意点を知ろう!

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猫の食事はあくまで「総合栄養食」のキャットフードが基本ですが、どの食べ物をどのくらいなら与えてもいいのか挙げてみます。

①マグロの赤身
月に1回、刺身一切れの半分くらい。トロは脂肪分が多いので避けましょう。

②とりのささみ
1日に3cmくらい。与えるときはよく加熱してください。

③カツオ
月に1回、刺身一切れの半分くらい。与えすぎると肝臓に炎症を起こす「黄色脂肪症」になる恐れもあります。

④豚肉
1日に2~3cm四方。寄生虫が潜んでいる可能性があるので、よく加熱してください。

⑤牛肉
1日に2~3cm四方。牛肉は脂肪が多いので、脂肪の部分は避けましょう。

フードに関する悩みの解決策を知ろう!

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Q. フードは毎日同じがいい?変えた方がいい?

ウェットやドライ、マグロ味やチキン味など、最近はさまざまなフードが出ています。つい色々なフードを食べさせてあげたくなりますが、理由なく頻繁にフードを変えると偏食になったり、成分が大きく違う場合には消化不良を起したりする恐れもあります。もしフードを変えるなら、1週間ほどかけて徐々に切り替えましょう。ただし、成猫期のはじめに色々なフードを体験させることは、偏食を防ぐのに有効です。

Q. おやつはどのくらいあげてもいいの?

おやつは1日に必要なカロリーの10~20%に抑えましょう。間食用に売られているフードは塩分の多いものもあるので、その点も注意しましょう。

Q. フードを食べてくれません。どうしたらいいの?

フードを切り替えた時、猫が食べてくれないことがあります。普通の食事なら気に入ったものに再度変更すればいいですが、病気による療養食などの場合には、工夫して食べさせなければなりません。そんなときは、フードを体温程度に温めると匂いがたつので、食べてくれる場合があります。また、新しいフードとこれまでのフードを混ぜたり、同時に2つのお皿に出して与えたりすることで、徐々に新しいフードの比率を増やしていく方法もあります。
猫に必要な栄養素と食事の基本について理解していただけたでしょうか?愛猫の健康のためにも、これまでの食事を見直してみたり、今後のライフステージに合ったフードをチェックしてみたりしてくださいね!
出典/『愛猫の栄養学事典』(監修:徳本一義先生)、
   「ねこのきもち」2016年3月号『まんぞくさんも大満足♥ 猫に与えてOK? NG? 食べ物図鑑』(監修:高円寺アニマルクリック院長 高崎一哉先生)
文/clochette417
※写真はスマホアプリ「まいにちのいぬ・ねこのきもち」で投稿されたものです。
※記事と写真に関連性はありませんので予めご了承ください。

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