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視野が広い?赤が緑に見える? 猫には世界がどう見えているか

猫は、暗闇で獲物を捕らえたり、素早く動くおもちゃを目で追えたりと、人にはできない行動ができますよね。これは、猫と人では目に映る世界が大きく異なっているためです。今回は、視野の広さや視力など、猫の視界についての豆知識を、哺乳動物学者の今泉忠明先生に伺いました。

猫の視野は約280度!

Mix(ミケ)のミーちゃん♪
ねこのきもち投稿写真ギャラリー
人の視野は約200度ですが、猫は約280度だといわれています。それでも動物界では狭い部類で、両目が顔の側面についている馬の視野は、330~350度とかなり広範囲です。
猫は、馬ほど広い視野をもちません。しかし、両目の視野が重なることで、対象を立体的に捉え、対象までの距離を正しく測定することが可能です。これは、主に狩りのときに役立っていたと考えられています。

猫は赤が緑に見える!

マンチカンのたまもちゃん♪
ねこのきもち投稿写真ギャラリー
人は、赤・青・緑の3種の色覚受容体からなる「三色型色覚」をもちます。対して、猫・牛・馬など多くの哺乳類は、青・緑の2種しかない「二色型色覚」です。そのため、猫が認識できる色は青と緑、そして黄といわれています。(黄と緑の区別がつかないという説もあります。)

猫と人での、見える色の主な相違点は以下のとおりです。

・紫は青に見える
・赤は緑に見える
・橙は黄に見える

つまり猫は、赤いリンゴは緑色に、紫色のブドウは青色に見えているのです。

猫は近視!

ロシアンブルーのさくらちゃん♪
ねこのきもち投稿写真ギャラリー
猫は視力が弱く、人の10分の1程度しか見えていないのだとか。人でいうと、近視の人が眼鏡をかけない状態で過ごしているような状態です。
猫がちゃんと視認できる範囲は6m以内で、それ以上離れるとぼやけて見えると考えられています。

猫は暗くても周りが見える!

Mix(黒×白)なつくん♪
ねこのきもち投稿写真ギャラリー
暗い時間帯に行動が活発になる猫は、暗い中でも活動できる能力が身についています。猫の網膜の裏には「タペータム」という器官があり、反射板のような機能を備えているため、目に入ってきた光を増幅させて、暗いところでも周囲を見ることができるのです。ただ、光が全くない完全な暗闇では、さすがの猫も周囲を見ることはできません。

ちなみに、暗闇で猫の目が光って見えるのは、タペータムに光が反射しているからです。

猫の動体視力はすごい!

ブリティッシュショートヘアのはなちゃん♪
ねこのきもち投稿写真ギャラリー
猫の動体視力は、人の約4倍。素早く動くおもちゃを捕まえられるのは、優れた動体視力があってこそ。この能力は、野生時代に獲物を捕らえる際に活躍していたことでしょう。

また、遠くにある動くものを見る際にも動体視力が発揮され、30m以内であれば、小さな虫などでもすぐに見つけられると考えられています。先ほどご紹介したとおり猫は近視ですが、動くものに対してはとても敏感に反応できるのです。
人とは大きく違う、猫の視界。愛猫を観察しているときに、「このコは今、どんな風に世界が見えているんだろう?」と考えてみるのも、おもしろいかもしれないですね!
お話を伺った先生/今泉忠明先生(哺乳動物学者 「ねこの博物館」館長 日本動物科学研究所所長)
参考/「ねこのきもち」2022年7月号『科学をもとにビジュアル化してみた 猫が見ている世界へ、ようこそ』
文/東里奈
※写真はスマホアプリ「いぬ・ねこのきもち」で投稿されたものです。
※記事と写真に関連性はありませんので予めご了承ください。
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