外を歩いているときに、突然猫と出会ってしまうことがあるでしょう。状況によっては保護したほうがよいのかもしれないけれど、どう対応したらよいかわからない場合もあると思います。
野良猫や迷い猫と出会い保護することになったとき、どのような対応をするのが望ましいのでしょうか。ねこのきもち獣医師相談室の岡本りさ先生に聞きました。
もしも突然猫と出会い、保護することになったらどうすればいい?
外で出会った猫を保護することになったという場合、たとえば野良の子猫や、怪我をしている猫、迷子の猫など、さまざまなケースが想定されるかと思います。
その猫の感染症の有無や健康状態、おおよその年齢、マイクロチップの有無などを確認するために、まずは動物病院に連れて行くことをおすすめします。病院に連れて行く際は、可能であればキャリーやクレートに入れてあげるとよいですね。
動けない猫や子猫の場合もそういったものに入れて連れて行くのがよいですが、すぐに準備できない場合は、蓋のしまる段ボールなどに入れた状態で受診しましょう。
保護した猫が迷い猫かどうか見分ける方法は? 必要な手続きはある?
保護した猫が野良猫の場合もあれば、迷い猫の可能性もあると思います。一般的には、「マイクロチップが入っているか」「迷子札がついているか」で見分けがつくことが多いかと思います。
野良猫や捨て猫の場合は、保護の際に特別な手続きは必要ありませんが、迷い猫の可能性がある場合は飼い主さんが行方を探しているでしょう。そのため、猫を拾ったら保健所や警察に連絡する必要があります。また、近隣の動物病院や保護団体に迷子の問い合わせがきていないかを確認しておくとよいでしょう。
猫を保護してお世話をする際に準備すべきものは?
猫を保護したあと、場合によってはそのまま家に迎えてお世話をすることになる人もいると思います。その際に準備したいものは、下記になります。
用意すべきもの1:居場所
猫を家に迎えたとき、まずは居場所を確保しましょう。初めての環境に戸惑い、疲れ果てているかもしれません。最初のうちは猫が安心できるように、できればケージの中にいれ、さらにクレートなどの隠れることができる囲まれた環境の寝床を用意してあげたり、毛布などで目隠しをしてあげるとより安心してくれるでしょう。
用意すべきもの2:トイレ
部屋の隅の静かな落ち着いた場所か、ケージの中に猫砂を入れたトイレを置いてあげましょう。猫の行動をよく観察し、ニオイを嗅ぐ、そわそわ場所を探すなど、それらしい行動をとったときにはトイレに連れて行くようにするとトイレの場所を覚えてくれると思います。
用意すべきもの3:食事・水
猫を保護した場合、最初は環境に慣れず、フードを用意しても食べないかもしれません。食べないときはドライフードをふやかして香りを立たせてみたり、ウェットフードなど数種類試してみるなど、工夫も必要でしょう。
すぐには食べてくれない場合もあるので、フードを少量だけお皿に入れて置いておくのも効果的です。しばらくして周囲の環境に慣れたら、食べ始めることもあります。
生後まもない子猫の場合は、授乳や保温などがすぐに必要です。できるだけ早く動物病院に行き、適切なお世話についてアドバイスをもらいましょう。
保護した野良猫などをお世話するときに注意すべきことは?
猫を保護した際、食欲はあるか、元気はあるかという点が重要なポイントになります。お迎えしたら、まずは早めに動物病院で健診を受けましょう。迎えたばかりのころは、環境の変化で猫も体調を崩しやすくなるので、細心の注意を払ってください。
また、室内で飼う際に危ないことがない限りは、基本的には猫の自由にさせましょう。ついかまいたくなってしまいますが、ぐっとこらえて、猫の好きにさせてあげることが大切です。数日経てば猫も落ち着いてきて、環境にも慣れてくれると思います。
初めて猫を保護してお世話をすることになった場合、わからないことも多いと思います。猫を保護したら早めに動物病院を受診し、どのようにしたらよいか相談してみるとよいでしょう。
(監修:ねこのきもち獣医師相談室 獣医師・岡本りさ先生)
※記事と写真に関連性はありませんので予めご了承ください。
取材・文/柴田おまめ