苦手な猫が多い、爪切りやブラッシングなどのお手入れ。健康のために必要ですが、嫌がられてしまうと飼い主さんも困りますよね。愛猫の苦手意識を減らす方法や、飼い主さんがやりがちなNG行動を帝京科学大学生命環境学部アニマルサイエンス学科准教授の加隈良枝先生に教えていただきました。
お手入れの苦手意識は、おやつを与えて軽減させよう
猫がお手入れを嫌がって暴れる場合は、おやつを与えている間にお手入れするのがベストです。そうすることで、猫の苦手意識や嫌な気持ちが和らいで、お手入れの時間を好きになっていけるでしょう。
また、お手入れが終わったあとにもおやつを与えると、「お手入れのあとはご褒美をもらえる」と猫が学習します。おやつで嫌な気持ちをカバーしつつ、「いいことがある」と覚えさせると、猫もお手入れさせてくれるでしょう。
体を押さえつける・居場所でお手入れするのはダメ
猫にお手入れを嫌がられると、体を押さえつけたり、猫が落ち着く居場所でお手入れを始めたりしてしまいがち。しかし、これらの行為は猫が暴れるのを助長するほか、新たなストレスの原因になってしまうのです。
なぜダメなの? 体を押さえつける行為
体を押さえつけてお手入れすると、猫が抵抗して余計に暴れてしまうことが。この対応では猫にケガをさせてしまうことがあるうえ、抵抗する猫に噛まれたり、引っかかれたりして飼い主さんもケガをする危険性があるでしょう。
こうしたトラブルがあると、余計に猫はお手入れを嫌がるように。お手入れするたびに、飼い主さんとの関係が悪くなってしまいます。
落ち着く居場所でストレスを与えるのもダメ
猫が落ち着く場所ならお手入れしやすそうですが、その行為が猫の居場所を乱すことに。新たなストレスになる可能性があるのです。
猫が落ち着くタイミングを見計らってお手入れするのはいいことですが、くれぐれも寝床やハウスなどの落ち着く居場所でお手入れするのはやめましょう。
一度にすべて終わらせようとしないことがコツ
お手入れを円滑に進めるコツは、一気に行おうとしないこと。「今日は背中のブラッシングだけにして、お腹は明日」のように、少しずつ行うことが大切です。毎回、猫がストレスを感じる前に終わらせることを心がけましょう。
お手入れを苦手とする猫は多いですが、飼い主さんの振る舞い次第で、その苦手意識は強くも弱くもなり得るのです。踏んではいけないNGポイントを避けつつ、嫌な気持ちを和らげて、愛猫のお手入れを楽しく続けていきましょう。
お話を伺った先生/加隈良枝先生(帝京科学大学生命環境学部アニマルサイエンス学科准教授)
参考/「ねこのきもち」2020年6月号『正しい対応、できてますか? クイズでチェック 猫の困った行動、そのときどうする?』
文/小崎華
※写真はスマホアプリ「いぬ・ねこのきもち」で投稿されたものです。
※記事と写真に関連性はありませんので予めご了承ください。