猫のウンチは、そのときの健康状態を知ることができる大切なもの。日常的に観察して、異常がないかをこまめにチェックする必要があります。愛猫のウンチがいつもと違うのなら、それは病気のサインかもしれません。
今回は、病気の早期発見につながるウンチの変化について、獣医師の小林清佳先生にお話を伺いました。
下痢をする
猫が下痢をする原因はさまざまですが、主に胃腸炎、寄生虫・ウイルス性腸炎、アレルギーに関連するものなどが考えられます。シニア猫になると、ホルモンの病気や腫瘍などが原因の場合も。
数日下痢が続く、あるいは下痢を繰り返すようであれば、かかりつけの動物病院を受診しましょう。動物病院では一般的な便検査に加え、詳しく調べるために外部検査に出すこともあります。
ウンチの形が変
ウンチの断面が異様に平たかったり、妙に細いウンチが出てきたりすることがあります。このようなウンチが出てくるのは、腸内や腸の周辺に腫瘍ができているなどの理由で、腸が狭くなっているからかもしれません。早めに動物病院を受診して、原因を究明してもらいましょう。
動物病院では、触診や超音波検査、X線検査のほか、内視鏡検査を行うこともあります。
血便が出る
ウンチの表面に「赤い血」が付いている場合、大腸や肛門付近からの出血であることがほとんど。緊急性はあまり高くないものの、念のため動物病院で見てもらったほうが安心です。
一方、ウンチの全体に「黒っぽい血」が混じる場合は要注意。消化管からの出血が疑われ、重度の胃炎や腸炎、腫瘍など、危険な病気のおそれがあります。至急、動物病院で診察を受けましょう。
ウンチの量が少ない、出ない
食生活に変化がないのにもかかわらず、ウンチが少なかったり出なかったりするようなら、便秘かもしれません。水分を十分に摂取させつつ様子を見て、ウンチが3日以上出ない、嘔吐する、食欲不振になるなどの症状が見られたら、受診してください。
動物病院では触診や直腸検査、X線検査をしたうえで、必要があればウンチを外に出す処置や、腸の働きを助ける療法食の処方などが行われます。
愛猫のウンチにいつもと違う点があるのなら、それは病気のサインかも。気になることがあれば、早めに動物病院で診察を受けましょう。
お話を伺った先生/小林清佳先生(モノカどうぶつ病院院長)
参考/「ねこのきもち」2022年6月号『飼い主さんの気付きが、早期発見につながる 「愛猫が何だか急に…」その変化は、病気のサインかも?』
文/東里奈
※記事と写真に関連性はありませんので予めご了承ください。