宅配便が届いて荷物を出していると、空になった段ボールのそばに猫が。クンクンとニオイを嗅いだり、中に入って寝転がったり、興味津々で近づいてくるので捨てられなくなることもありますよね。猫が段ボールを好きな理由を、居心地やニオイなどの観点から哺乳動物学者の今泉忠明先生に教えてもらいました。
四季を通して居心地がいいから好き
猫が段ボールを好きな理由のひとつは、なんといっても居心地のよさです。段ボールの断面にある波型の隙間から風が通るため、夏は涼しさを感じ、冬は保温性が優れています。猫は居心地のいい場所を見つける天才だから、そのことを知っているのでしょう。
穴蔵のような形が落ち着くから好き
野生時代の猫は、穴蔵に身を潜めながら獲物の様子を観察していました。そのころの名残で、今でも猫は穴蔵に似た段ボールがあると、狩猟本能を刺激されて入りたくなるのでしょう。
ニオイが気になるから近寄りたくなる
嗅覚の優れた猫は、ニオイを嗅ぐことで情報を集めています。段ボールはニオイを吸収しやすい素材でできているため、猫は染みついたニオイを嗅がずにはいられないのでしょう。
いい経験がある猫は思い出している可能性も!
猫は記憶力のいい動物です。たまたま段ボールに入ったときに飼い主さんになでてもらえれば、かまってくれたことを覚えて、段ボールが好きになります。いい経験をしたことがある猫は、その記憶を覚えているから好きなのでしょう。
人にとっては同じ段ボールでも、猫から見れば運んできた荷物や置かれる環境によって、全く違う個性をもつ箱なのでしょうね。「段ボールは、ひとつあれば充分」ということではなさそうなので、新しい箱ができたら思う存分使わせてあげてください。
お話を伺った先生/今泉忠明先生(哺乳動物学者 「ねこの博物館」館長 日本動物科学研究所所長)
参考/「ねこのきもち」2021年4月号『手作りグッズで、愛猫をもっとHappyにさせちゃおう! 猫はみ~んな段ボールがお・好・き♡』
文/小崎華
※写真はスマホアプリ「いぬ・ねこのきもち」で投稿されたものです。
※記事と写真に関連性はありませんので予めご了承ください。