食事中の愛猫を観察していて、フードを撒き散らすようにして食べている光景を目にしたことはありますか? この行動ですが、問題がない場合もあれば、じつは病気が原因になっていることもあるようです。
猫がフードをこぼしながら食べる原因について、ねこのきもち獣医師相談室の岡本りさ先生が解説します。
猫がフードをこぼしながら食べるときに考えられる原因4つ
猫がフードをこぼしながら食べるのには、次のような理由が考えられます。
1.肉食である猫は歯の形が尖っているから
猫はもともとの歯の形が肉食用の尖っているものであるために、フードを食べるのがあまり上手でありません。そのため、食べる際にフードが器から出てしまうことがあります。
2.子猫や高齢の猫では上手に食べられないこともあるから
子猫はまだ食べるのが上手ではないため、フードをこぼしてしまうことが多いものです。また、人の場合もそうですが、猫も高齢になると食べるときにこぼしやすくなるでしょう。
このような場合は、「フードをふやかす」「粒の大きさを変える」「ウエットにする」「こぼしにくい形状の食事を探してみる」などの工夫をしてみてください。
3.フードを入れる器が合っていないから
フードを入れる器がそのコに合っていなくて、こぼしている可能性も。この場合は、フードの器を変えてみるとよいかと思います。
たとえばですが…
・ヒゲが器に当たることを嫌がる猫はとても多いので、お皿のような広めの器にしてみる
・食べやすい高さになっている器や、高さを調節する台などを併用してみる
といった方法もあります。ただし、猫によって器の好みは違うので、いろいろ試してみて愛猫に合ったものを探すとよいでしょう。
4.口腔内に病気があるため
口腔内に「歯周病」「歯肉炎」「口内炎」などの病気があると、食べているときに痛みを感じて、フードをこぼしてしまうことがあります。
日頃から以下のポイントをチェックすると、愛猫の口腔内の病気に気づくことができる場合もあります。
・口唇をめくったときに歯茎に赤みがある
・よだれの量が増える
・寝床が汚れる
・口臭がする
口腔内の病気がある、もしくは疑いがあるようならば、動物病院で獣医師に口腔内をチェックしてもらい、異常があれば治療してもらいましょう。
愛猫がフードをこぼしてしまう原因はなんなのか、飼い主さんはよく観察してみてください。もし口腔内の異常を感じるようであれば、早めに獣医師に相談しましょう。
(監修:ねこのきもち獣医師相談室 獣医師・岡本りさ先生)
※写真はスマホアプリ「いぬ・ねこのきもち」で投稿されたものです。
※記事と写真に関連性はありませんので予めご了承ください。
取材・文/雨宮カイ