猫と一緒にいる時間が長い飼い主さんは、愛猫のちょっとしたしぐさや表情から、そのときの愛猫の気持ちを想像することがあるかと思います。でも、その気持ちは猫にも当てはまるのでしょうか? 日常のなかで飼い主さんが感じやすい4つの気持ちの「ある」「ない」を、動物看護師の小野寺温先生に伺いました。
「かまってほしい」気持ちでちょっかい出すことはあるかも
猫の性格にもよりますが、猫も飼い主さんに「自分に関心を向けてほしい」「かまってほしい」と思うことはあります。そんなときは、前足でちょいちょいしたり、飼い主さんの膝にのったり、邪魔をすることも。何とかして自分に関心を向けてもらおうと、過去の経験から効果があった行動をとるのです。
困ったときは「助けてほしい」と思っているかも
高いところに上って自分で下りられなくなったときなどに、猫は鳴いてアピールすることがあります。これは、「自分で下りられないので、手伝って」という気持ちの表れ。
ただ、誰かに助けを求めているというよりは、下りるための手段として飼い主さんを呼んでいる感覚に近いでしょう。
不安だから飼い主さんに「行かないでほしい」と思っているかも
猫は単独で行動する動物なので、本来は、成猫が他者にそばにいてほしいと思うことはありません。ですが、いまどきの飼い猫は、子猫のような気持ちを持ち続ける傾向があります。そのため、子猫が母猫を思う気持ちと同じように、「飼い主さんが行ってしまうと不安」になる気持ちはあるでしょう。
飼い主が落ち込んでも「元気を出してほしい」と思ってるわけではないかも
飼い主さんが落ち込んでいるとき、なぐさめるように猫がそばに来てくれることがあります。ですが、これは「元気を出してほしい」という気持ちで寄ってきたわけではないでしょう。猫が他者を心配することはありません。
猫にとって重要なことは、自分にとって悪いことが起きていないかどうか。飼い主さんの様子がいつもと違うことに「何か起こるかも」と不安を感じ、そばに来て様子をうかがっているのでしょう。
猫の人への心情は、人と異なることはあるとしても、猫は人が想像した気持ちに似た思いを抱いていることもわかりました。猫がしぐさで表現する気持ちを読み取ったら、その気持ちに応えてあげましょう。
お話を伺った先生/小野寺温先生(帝京科学大学講師 動物看護師)
参考/「ねこのきもち」2022年8月号『喜怒哀楽に嫉妬や感謝… 専門家が判定します 猫にある? ない? この気持ち』
文/小崎華
※写真はスマホアプリ「いぬ・ねこのきもち」で投稿されたものです。
※記事と写真に関連性はありませんので予めご了承ください。