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野良猫は自由に動けるから幸せ? 実は過酷な環境で生きている野良猫たちの現実

自由気ままなイメージのある野良猫たち。しかし実際のところ、彼らは想像以上に厳しい環境で生きています。そこで今回は、野良猫を取り巻く環境や平均寿命が短い理由について、ねこのきもち獣医師相談室の岡本りさ先生に教えていただきました。

野良猫は寿命が短い

黄色い目をした白黒の猫
Kryssia Campos/gettyimages
野良猫の平均寿命が3~5才程度といわれる一方、飼い猫の平均寿命は14.2才というデータ(※)があります。なかには20才まで生きる猫もいることを考えると、野良猫とは比べものにならないほど長生きですよね。同じ猫でも、なぜこれほどまでに差があるのでしょうか?

※アニコム『家庭どうぶつ白書2017』より参照

野良猫が長生きできない理由は?

歩道の隙間に隠れる子猫たち
ESezer/gettyimages

屋外で暮らしているから

野良猫が暮らす屋外は、暑さや寒さ、事故、ストレスなど、あらゆる苦難に耐えなければいけない環境です。

とりわけ冬の寒さは厳しく、あたたかい場所を見つけられないまま命を落としてしまう子猫もいます。病気やケガなどで体の抵抗力を失った成猫にとっても、冬の寒さは大敵です。

また、屋外では交通事故に巻き込まれるリスクも高まります。縄張り争いや危険な環境に身を置くことのストレスも、寿命を縮める原因になっているでしょう。

子猫のときに命を落としやすい

先ほども触れたように、寒い時期に生まれた子猫は、冬を越せずに死んでしまうことも少なくありません。また、親猫とはぐれたところをカラスなどに狙われるおそれもあり、そもそも成猫になるまで生き抜くことが大変です。子猫のときの死亡率の高さが、野良猫の平均寿命を下げているといっても過言ではないでしょう。

病気で命を落としやすい

野良猫が病気やケガをしても、飼い主さんが病院に連れて行ってくれるわけではありません。適切な処置を受けられないまま弱ってしまい、命を落とす危険も高くなります。病気予防のワクチンも接種できないので、飼い猫に比べて病気にかかりやすいともいえるでしょう。

食料の確保が難しい

野良猫が食料を手に入れるためには自分で狩りをしなければならず、その狩りも必ず成功するとは限りません。飼い猫のようにいつでも食料にありつけるわけではないことも、野良猫の寿命にも影響を与えていると考えられます。

飼い猫の寿命が長くなった

野良猫と飼い猫の寿命の差が大きくなった背景には、飼い猫の寿命が延びてきたという事情もあります。

屋外での危険やストレスがない室内飼いの猫は、寿命を全うしやすいのでしょう。また、動物医療の進化や、愛猫の健康に対する飼い主さんの意識向上も大きく関係しています。飼い猫の寿命が延びるにつれて、野良猫との寿命の差がますます広がったというわけです。

愛猫を野良猫にさせないために

ソファに座ってポーズをとる猫
kaorinne/gettyimages
野良猫は飼い猫と比べてとても厳しい環境で生きており、平均寿命にも大きく差があります。愛猫に長生きしてもらうためには、やはり家と外を行き来するような飼い方より完全室内飼いのほうがよいのです。また、二度と会えなくなるという事態を避けるためにも、脱走を防ぐ対策も十分に行いましょう。
(監修:ねこのきもち獣医師相談 獣医師・岡本りさ先生)
参考/ねこのきもちWEB MAGAZINE『野良猫の寿命は短い? もし保護したら寿命は延びる?』
文/柏田ゆき
※記事と写真に関連性はありませんので予めご了承ください。
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