猫と暮らす
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野良猫の寿命は短い? もし保護したら寿命は延びる?
屋外で暮らしている野良猫たち。一見自由気ままに生きているように見えますが、その生活条件は厳しく、平均寿命は飼い猫よりも短いようです。そこで今回は、野良猫と飼い猫の平均寿命の違いや、野良猫の平均寿命が短くなる理由などについて解説します。

ねこのきもち獣医師相談室
野良猫の平均寿命はどのくらい? 飼い猫と比べると?
もし野良猫の子猫を保護して室内で飼ったとすると、野良猫のままだった場合と比較して寿命に大きな差が出てくることがわかります。同じ猫でも寿命にこれほど差があるのはなぜなのでしょうか?
※アニコム『家庭どうぶつ白書2017』より参照
野良猫の寿命が短い理由とは?
屋外で暮らしている
一方、野良猫が暮らしているのは屋外。夏は暑く、冬は寒く、雨風をしのぐ場所を見つけるのにも苦労が必要です。とくに冬は暖かい場所を見つけられずに、小さな命を失ってしまう子猫もいるでしょう。子猫だけでなく、病気やケガなどで体の抵抗力を失った成猫にとっても、冬の寒さは大敵です。
さらに、交通事故も野良猫の寿命を縮める原因のひとつ。また、安全で快適な室内と比べて、屋外には野良猫がさらされる危険が多く、その分猫が感じるストレスも大きくなる傾向に。場所によっては野良猫同士の縄張り争いがあるため、それがストレスの原因になることもあるでしょう。
野良猫が暮らす屋外は、寒さや暑さ、危険、ストレスに耐えなければいけない環境なのです。
成長することがそもそも大変
これに加えて、親猫とはぐれたところをカラスなどに狙われる可能性も。野良猫にとって、子猫から成猫に成長することはとても大変なこと。子猫時代の死亡率の高さが、野良猫の平均寿命を押し下げているといってもいいでしょう。
飼い主がいない
さらに、野良猫には生活空間などを清潔に保ってくれる人もいません。このような生活環境を考えると、野良猫は飼い猫に比べて病気やケガをする可能性が高く、平均寿命も短くなりやすいと考えられるでしょう。
食料の確保が難しい
野良猫が食料としているのは、主にネズミなどの小さな哺乳類や昆虫、小鳥、カエルなどの両生類やヘビなどのは虫類と考えられています。これに加えて、近くに野良猫に餌やりをしている人がいれば、その人からもらうフードなどを食べているケースもあるでしょう。
とはいえ、これらはいつも手に入るというわけではありません。食料を手に入れるためには狩りをしなければならず、その狩りも必ず成功するとは限らないのです。このような食料の確保が難しい状況が、野良猫の寿命にも影響を与えていると考えられます。
飼い猫の寿命が長くなった
屋外での危険やストレスがない室内飼いは、寿命を全うしやすいのでしょう。また、動物医療の進化や、飼い主さんの愛猫の健康に対する意識の向上も、飼い猫の寿命が延びてきた理由です。
脱走対策をするなど、愛猫を野良猫にさせない工夫も大切
愛猫に安全で快適な環境で暮らし、長生きしてもらうためにも、日ごろから脱走対策をして野良猫にさせない工夫をすることが大切です。以下の記事では猫の脱走対策について解説しているので、ぜひ参考にしてみてくださいね。
文/コージー根本
※記事と写真に関連性はありませんので予めご了承ください。
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