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猫は歯垢が歯石に変わるスピードは人の5倍だった 気をつけたい猫の「歯周病」

猫が人よりもなりやすいといわれている「歯周病」。健康診断で発覚するケースも多い病気です。歯周病になってしまうと、痛みが伴い、食事や行動に影響がでます。そんな歯周病について、今回は獣医師の重本仁先生に解説していただきました。

歯垢が歯石に変わるスピードは人の約5倍

眠っている猫
Kryssia Campos/gettyimages
猫は、歯垢が歯に付着してから数時間後には歯肉に炎症を起こし、約1週間で歯石になるそうです。このスピードは人の約5倍。猫は人以上に歯周病になりやすいということがわかります。

歯周病の進行の仕方

カバンに乗る猫
Kryssia Campos/gettyimages
ステージ1
歯垢が歯を覆っていて、炎症が起こっている状態。しかし、腫れているのは歯に近い歯肉の上部のみで、歯磨きによって状態が好転する可能性も。
ステージ2
歯肉全体に炎症がある状態です(歯周炎)。歯を支える骨である歯槽骨が溶解している可能性があり、痛みや強い口臭を伴うことがあります。
ステージ3
歯周病関連の細菌と歯石によって歯肉が破壊され、歯槽骨の溶解も進行している状態です。出血や強い口臭、痛みが伴うことも。
ステージ4
歯肉や歯が破壊され、歯槽骨の溶解も進行、歯が抜けそうな状態です。歯周病関連の細菌が血流にのって全身に広がるおそれも。

3才以上の猫は要注意

寄り添う猫たち
Martin Poole/gettyimages
歯周病は、3才以上の猫のほとんどがかかっているといわれており、健康診断で発覚することが多いです。
猫の場合は毎日の歯磨きが難しく、フードの食べかすが歯に付着し、歯周病の原因となる歯垢や歯石になりやすいためです。

歯垢や歯石が歯と歯肉の間にたまってしまう、歯肉が赤く腫れる、歯槽骨が溶解するなどの症状になってしまうと、スケーラーによる歯石除去、抗炎症剤や鎮痛剤の投与、抜歯などの治療が必要に。歯石除去や抜歯の手術は、猫に全身麻酔をしてから行う必要があります。歯肉炎や初期である歯周炎の状態であれば、毎日の歯磨きで改善することもできるため、歯磨きの習慣をつけておくといいでしょう。
猫がなりやすい病気である歯周病。いい歯の状態を保つためにも、歯磨きを行えるようにしておきたいですね。
お話を伺った先生/重本仁先生(王子ペットクリニック院長)
参考/「ねこのきもち」2023年5月号『健康寿命を延ばすために定期的な検査を! 健康診断で見つかりやすい猫の病気』
文/山村晴美
※記事と写真に関連性はありませんので予めご了承ください。
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