思わず「なんで!?」といいたくなるような反応をしたり、猫らしくないちょっと残念な姿を見せたりと、日々さまざまなしぐさや行動を行う猫。そこで今回は、猫がよく見せる不思議でおもしろい5つのしぐさについて、哺乳動物学者の今泉忠明先生に伺いました。
隠れきれていない隠れ方をする
猫は“頭隠して尻隠さず”のタイプ。身を潜めるときは木に登ったり、木陰に隠れたりする程度で、全身を隠しきることはあまりありません。体の一部がどこかに触れていれば、すべて隠せていると勘違いしているようです。
舌をしまい忘れる
舌をしまい忘れるというのは、外で暮らす猫にはあまり見られないしぐさで、気がゆるんでいる証拠です。安全な環境で暮らす飼い猫は、口元がゆるんで舌が出てしまうこともあります。その舌の出しっぱなしが、心地いいとすら思っているのかもしれません。
ぬいぐるみをくわえながら鳴く
お気に入りのぬいぐるみをくわえながら鳴くのは、ぬいぐるみを獲物に見立てて、飼い主さんにわけ与えようとしているのでしょう。
本来単独行動をする猫が獲物をわけ与えるのは、自分の子かちょっとどんくさい仲間に対してだけ。飼い主さんをそのどちらかと思っているのかも!? もしくは遊び気分で、飼い主さんに「遊ぼう」と誘っているのかもしれません。
朝と夜に同居猫と激しくじゃれる
猫はテリトリーや獲物をめぐって争います。しかし、日ごろから仲がいい同居猫と、朝と夜に激しく飛び掛かるような行動をする場合は、ただのじゃれ合いでしょう。
朝と夜は本来狩りをする時間なので、その時間帯にじゃれ合いを繰り返すことで、筋肉を発達させようとしているのです。いわば、“筋トレ”のようなものです。
触ろうとすると噛んだり、猫キックをしたりする
猫は狩りやケンカの際、最終防衛として仰向けの体勢で噛んだり、キックをしたりします。飼い主さんが触ろうとすると噛んだり、猫キックをしたりするのは、飼い主さんを敵に見立てて遊びながらも、どうにか相手をやっつけてやろうという敵対モードの気持ちになっていると考えられます。
自分では隠れきれていると思っていたり、舌をよくしまい忘れたりと、不思議でおもしろい魅力に満ちた動物の猫。猫には不思議でおもしろいしぐさや行動がたくさんあるので、日ごろから愛猫をよく観察して、いろいろな発見を楽しんでみてくださいね。
お話を伺った先生/今泉忠明先生(哺乳動物学者 「ねこの博物館」館長 日本動物科学研究所所長)
参考/「ねこのきもち」2019年2月号『知れば知るほどもっと知りたくなる 動物学者・今泉先生に聞いた 愛しき猫のふしぎ』
文/宮下早希
※写真はスマホアプリ「いぬ・ねこのきもち」で投稿されたものです。
※記事と写真に関連性はありませんので予めご了承ください。