猫の嘔吐や粗相などでどうしても汚れてしまう猫グッズや衣類。汚れやニオイをきれいに落とすには、どう洗えばいいのでしょうか? 今回は、布製品に付いた猫の汚れやニオイ、抜け毛を取り除くための洗濯術を、リネットお洗濯アドバイザーの近藤高史さんに伺いました。
布製品に付いた猫の汚れは素材ごとに洗いわけて
猫が原因で汚れたペット用布製品や衣類。まず洗濯できるかどうかは、製品に付いているタグを見てみましょう。素材によっては手洗いが適切だったり、消臭を重視して漂白剤を使ったりと、素材・目的に応じて洗い方は異なります。デリケートな衣類は、クリーニング店に依頼するのがベストなことも。上手に洗いわけをしましょう。
猫の嘔吐物・排泄物の汚れの落とし方
嘔吐物などの汚れは乾かしてから洗って
嘔吐物を見つけたら、まず洗濯をする前に嘔吐物の塊はティッシュなどで除去を。衛生の観点から、嘔吐物や排泄物の取り扱いには充分注意を払いましょう。液状の付着物を無理に取ろうとするとかえって汚れを広げてしまうことがあるので、汚れが完全に乾いてから洗濯してください。
洗濯手順
- 嘔吐物などを扱う際は必ずゴム手袋を着けます。
- 濡れている状態で取ろうとすると繊維の奥に汚れが入り込んでしまうため、嘔吐物や排泄物で汚れた布類は干して完全に乾かします。
- 除去できる付着物は除去してから洗濯します。付着物はティッシュでくるみ処分を。
- 洗濯機で洗う前に40℃以下のぬるま湯、または水で予洗いします。
- シャワーで洗い流したり、バケツに水を入れて振り洗いしたりして、汚れを取り除きます。予洗い・振り洗いは、汚れがそれ以上「落ちない」「薄くならない」時点で切り上げましょう。
- 40℃のお湯に洗剤を適量溶かして20分ほどつけ置きし、その後洗濯機で洗濯します。つけ置きすることで洗浄効果をアップさせ、より汚れやニオイを落とすことができます。
猫に粗相されたときのニオイの落とし方
粗相のニオイを取るときは酸素系漂白剤などを使って
ニオイの除去は、その原因となっている雑菌の繁殖を防ぐことが重要です。消臭効果をうたった洗剤のほか、抗菌・除菌ができるペットの布製品専用の柔軟剤もあるので試してみましょう。
酸素系漂白剤にも消臭効果があり、布製品などの消臭や除菌に役立ちます。酸素系漂白剤を使用しても大丈夫な素材であれば、試してみてください。
洗濯手順
さきほどの手順と同様、予洗いしてからつけ置き洗いをします。それでもニオイが取れない場合は、酸素系漂白剤が使える素材なら、酸素系漂白剤を適量入れた40~50℃程度のお湯につけ置きして除菌し、さらに洗濯機で洗濯したあとしっかり乾かしましょう。
酸素系漂白剤の代わりに、重曹、セスキ炭酸ソーダ、クエン酸でつけ置きするのも有効です。
猫の抜け毛の取り方
抜け毛は洗濯前にできるだけ除去を
猫ベッドやセーターなどに付いた抜け毛は、洗濯してもほとんど取れません。大切なのは、洗濯前にブラシや粘着クリーナーで可能なかぎり抜け毛を除去すること。洗濯時は洗濯ボールを入れると、取り残した抜け毛などを集め取る効果が期待できます。ペットの布製品専用洗剤を使うと、毛を布からひきはがす離毛効果が働き、抜け毛を取りやすくしてくれます。
セーターを洗濯する際は柔軟剤を入れよう
そもそもセーターに抜け毛が付く原因は静電気です。洗濯時に柔軟剤を入れると、繊維の表面が滑らかになり、摩擦が減ることで静電気の発生を抑えられ、抜け毛が付きにくく、かつ取りやすくなります。
また、クリーニング店でドライクリーニングと静電気防止加工を依頼すると、水洗いよりも傷みにくいというメリットがあります。
布製品の汚れを落とすときは、猫が嫌がるニオイの強い洗剤は使用を避けるなど、猫に配慮して洗濯するようにしましょう。また、猫がなめたり、誤飲したりしないよう、洗剤の取り扱いや管理にも充分注意してくださいね。
お話を伺った先生/近藤高史さん(リネットお洗濯アドバイザー)
参考/「ねこのきもち」2025年2月号『プロに聞く!布製品に付いた猫の汚れ・ニオイ・抜け毛の洗濯術Q&A』
文/宮下早希
※写真はスマホアプリ「いぬ・ねこのきもち」で投稿されたものです。
※記事と写真に関連性がない場合もあります。