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映っているのは自分だよ! テレビの黒い画面をのぞきこむ猫の心理とは?|獣医師解説

飼い主さんによると、このときビビくんは「画面に映った自分のニオイをかいだり、手で少し触れてみたりしていました」とのこと。
飼い主さん:
「普段、テレビは画面に日光が反射しない場所にあるのですが、このときはエアコン取り付け作業があったのでテレビを移動させていました。そして、鏡のようにビビの姿が画面に映り込む状況になりました」
鏡でも同じ反応を見せるの?

飼い主さん:
「普段は、あまり鏡を見ていないと思います。洗面台や風呂場の鏡を見たときは、猫(自分)がいると思ったようで警戒していましたが、それよりも鏡に私が映っていたので困惑していました(2人!? という顔でした)」
ちなみに、家に来て初めて自分の姿を見たときは、走って逃げたそうです。また、テレビ番組で猫が映し出されたときに反応を示すことはありますが、普段はあまり気にしていないのだとか。
【獣医師解説】テレビの黒い画面をのぞきこむ猫の心理とは?

――この日、ビビくんはテレビ画面に反射して映った自分を不思議そうに見つめ、ニオイをかいだり、前足で触れてみたりしていたそうです。こうしたビビくんの行動から読み取れる心理について教えてください。
山口先生:
「画面に映る自分の姿が、何者なのか確認したかったのでしょう。ニオイや気配もしないうえ、相手から積極的な反応もないので、『なんだろう?』と確認し続けていたのかもしれません」
――テレビ画面に限らず、鏡などに映る自分に驚いたり警戒したりする猫がいる一方で、まったく反応しない猫もいるようです。こうした違いは、どのような部分から生まれるのでしょうか。
山口先生:
「おそらくですが、気配やニオイなどの視覚から得られる情報以外のものを重視している猫や、過去の経験から“こういった類のものは無害である”と学習している猫、おっとりした気質の猫はあまり気にしないのではないでしょうか。
反対に、見慣れていない猫や視覚情報をより重視する猫、怖がりで確認できなかった猫などは、警戒心が続くのかもしれません。鏡に映った自身の警戒ポーズを見てさらに警戒心が高まり、苦手意識がぬぐえないなどはありえそうです」
(監修:ねこのきもち獣医師相談室 獣医師・山口みき先生)
取材・文/長谷部サチ
※この記事は投稿者さまに取材し、了承の上制作したものです。2025年4月時点の情報であり、現在と異なる場合があります。
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