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人を先導して登る・途中で止まってこちらを見てる 猫が階段でよくしている行動に理由があった

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猫の飼い主さんのなかには、階段で不思議な行動をとる愛猫の姿を目撃している人も多いようです。そこで今回は、飼い主さんのエピソードをもとに、猫が階段でとるさまざまなナゾ行動の意味について、愛玩動物看護師の小野寺温先生に教えていただきました。

人が上るときに追い抜かす・先導する

階段を駆け上がる猫
参考・写真/「ねこのきもち」2023年8月号『遊んでヨシ、くつろいでヨシ。 猫は、階段がお好き』
階段を駆け上がり、私がついてきているか確認します。その姿が見たくて、あえてついて行かないことも(笑)。(静岡県/C・Tさん)

「ついてきて」と先導されます

階段を先導する猫
参考・写真/「ねこのきもち」2023年8月号『遊んでヨシ、くつろいでヨシ。 猫は、階段がお好き』
私が2階に行こうとすると、必ず先回りして「ついてきて」というように先導したり、待ち伏せしたりします。(山口県/C・Fさん)

先生から:「遊びのように楽しんでいるのでしょう」

人が階段を上ることをイベントのように感じていて、追い抜かしたり先導したりすることを、遊びのように楽しんでいるのでしょう。また、階段を上る人の前にいれば必ず見てもらえるのがうれしい、2階で飼い主さんと何かできると期待している側面も考えられます。

顔をのぞかせて様子をうかがう

階段から観察するラガマフィン
参考・写真/「ねこのきもち」2023年8月号『遊んでヨシ、くつろいでヨシ。 猫は、階段がお好き』
2階で遊んでいるのかと思っていたら、階段の曲がり角からひょっこり顔をのぞかせて、こちらを観察していました。(三重県/M・Tさん)

○○は見た!

階段から顔をのぞかせる猫
参考・写真/「ねこのきもち」2023年8月号『遊んでヨシ、くつろいでヨシ。 猫は、階段がお好き』
どこに入ったのかな? と捜すと、こんなところに。この状況を、わが家では「バロンは見た」と呼んでいます。(北海道/T・Mさん)

先生から:「こっちに来るの? と期待しているのでしょう」

一見、隠れているようですが、身を縮めていなければ猫に恐怖心はありません。写真のように猫が両方の目をのぞかせていたり、お尻を見せていたりするのは、強い関心をもって観察しているとき。「こっちに来るの? 来ないの?」と、期待を膨らませているのでしょう。

複数匹の猫が違う段でくつろぐ

階段でくつろぐ2匹の猫
参考・写真/「ねこのきもち」2023年8月号『遊んでヨシ、くつろいでヨシ。 猫は、階段がお好き』
年上のジンが先に階段でくつろいでいると、くっついて行って、一緒にくつろぐライ。ジンはちょっと迷惑そう!?(山口県/N・Sさん)

猫たちが休憩場所にしています

階段で休憩する2匹の猫
参考・写真/「ねこのきもち」2023年8月号『遊んでヨシ、くつろいでヨシ。 猫は、階段がお好き』
階段にはエアコンの風がよく通るので、夏は涼しく、冬は暖かく、猫たちの休憩場所になっています。(福島県/Y・Mさん)

先生から:「取り合わなくてよい“よい場所”だからでしょう」

猫にとって“よい場所”である高い場所は、複数飼いでは取り合いになりがちです。しかし、階段は通常、複数段あるので取り合いにはなりません。猫同士の関係によって距離感も調節でき、のんびり過ごしたり、飼い主さんを待ったりするのに絶好の場所なのです。

階段でノビをする

階段でノビをする猫
参考・写真/「ねこのきもち」2023年8月号『遊んでヨシ、くつろいでヨシ。 猫は、階段がお好き』
階段はかんなのストレッチ場所。下りるときに階段を利用して、必ず背中を伸ばしてストレッチしています。(愛媛県/Y・Tさん)

先生から:「斜め方向のノビが好きで、安心な場所と捉えている証」

ノビの方向にも猫の好みがあり、水平方向、垂直方向のノビを好む猫もいますが、斜め方向のノビを好む猫には、階段はもってこいの場所でしょう。また、ノビは敵にスキを見せる行為です。階段でノビをするのは、階段を安全な場所と捉えている証ですね。

“早く2階に行こう”というように待っている

階段で待つスコティッシュフォールド
参考・写真/「ねこのきもち」2023年8月号『遊んでヨシ、くつろいでヨシ。 猫は、階段がお好き』
しゃるるの部屋は2階。早く一緒に行きたいようで、家事をしている私を「まだ~?」というように見ています。(新潟県/M・Yさん)

無言の圧を感じます

階段で待つ2匹の猫
参考・写真/「ねこのきもち」2023年8月号『遊んでヨシ、くつろいでヨシ。 猫は、階段がお好き』
3階の寝室に行く時間が近づいてくると、用事をしている私を、階段に座って見つめる2匹。無言の圧を感じます……。(大阪府/H・Sさん)

先生から:「距離をとって注視しつつ、来てくれるのを待っているのでしょう」

猫が両前足をそろえて、両方の目でジッと見つめているのは、スタンバイポーズ。飼い主さんが忙しそうにしている間は、かまってもらえないことをわかっているので、距離をとって階段から注視しつつ、用事が終わって来てくれるタイミングを待っているのです。
猫の階段での行動は、飼い主さんに対する期待だったり、安心しているがゆえだったりと、深い意味があったんですね。愛猫も階段で同じような行動をとっていないか、観察してみてはいかがですか?
お話を伺った先生/小野寺温先生(帝京科学大学講師 愛玩動物看護師)
参考・写真/「ねこのきもち」2023年8月号『遊んでヨシ、くつろいでヨシ。 猫は、階段がお好き』
文/宮下早希
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