警戒心の強い猫が居場所に選ぶのは、安心できる場所。野生よりも危険が少ない室内で暮らす猫にも、より安心して過ごせる場所はあります。猫が高い場所を好み、そこから飼い主さんや同居猫を見下ろす理由を動物看護師の小野寺温先生に教えてもらいました。
猫が高い場所にいる理由
猫が高い場所にいるときは、情報をキャッチしたい気持ちがあると考えられます。
野生の猫は敵から身を隠すため、また敵を見つけるために高い木の上に長時間潜んでいました。室内で生活する飼い猫には命を狙ってくるような敵はいませんが、受け継がれた警戒心から猫タワーや家具の上などの高いところを居場所にすることも。周囲を見渡して異変がないか状況を把握し、何かあればすぐに対応したいと思っているようです。
高い場所から飼い主さんを見つめるのは興味から!
猫が高い場所から飼い主さんを見ている場合は、監視をしているというよりも、「大好きな飼い主さんが何をしているのかな?」という興味から見ている可能性が高いでしょう。飼い主さんの行動を目で追いかけて、自分にとっていいことがあれば一目散に下りてくるはずです。
飼い主さんだけではなく、仲のいい同居猫を見ている場合も同じ理由と考えられるでしょう。
同居猫を見下ろすのは上下関係を誇示している場合も!
猫の世界の上下関係は、猫のいる場所の高さにあらわれるといわれています。そして、複数飼いをしている家の猫は、ライバル心から「自分のほうが高い場所にいたい」と思うこともあるようです。その場所から同居猫を見下ろして、相手が何をしているのかつねに監視していたいのでしょう。
猫が高い場所で過ごすのには、猫なりの理由がありました。ただ、下にいる相手との関係によって、心のなかは大きく違うようです。
お話を伺った先生/小野寺温先生(帝京科学大学生命環境学部講師 動物看護師)
参考/「ねこのきもち」2019年9月号『どこで何をしてるかに注目しよう 居場所(ニャンスポット)でわかるねこのきもち』
文/小崎華
※写真はスマホアプリ「いぬ・ねこのきもち」で投稿されたものです。
※記事と写真に関連性はありませんので予めご了承ください。